食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05140490314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、牛肉及び牛乳製品中の新規の病原体に関し、更なる調査研究が必要であるとする意見書を公表
資料日付 2019年4月18日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) 1.ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は4月18日、牛肉及び牛乳製品中の新規の病原体に関し、更なる調査研究が必要であるとする意見書(2019年4月18日付意見書 No. 014/2019)を公表した。概要は以下のとおり。
 ドイツがん研究センター(DKFZ)は2019年2月、「BMMF: Bovine Milk and Meat Factors」と呼ばれる新規の感染因子に関する知見についての発表を行った。DKFZによれば、炎症の原因となる未知の病原体であると考えられる。また、現時点で、当該感染因子は健康な牛の乳、牛乳製品及び牛の血清に存在することが立証されている。
 過去の科学研究で得られた結果から、牛由来の種々の製品の摂取とヒトの一部のがんの発生との間に間接的な関連性があると考えられる。DKFZは、免疫系が未熟な乳児が生後1年目に牛乳を与えられればBMMFに感染する可能性があると懸念する。したがって、乳児の早期に牛乳を与えるべきではないとしている。
 DKFZによれば、BMMFはウイルス及び細菌の双方に類似する種類の新規の病原体と位置付けらる。プラスミドとの関連性があることから、暫定的に「Plasmidome」と呼ばれる。DKFZの科学者らによれば、BMMFは遺伝物質のみで構成されるのではなく、たん白質を伴う。
 BfR及びマックス・ルブナー研究所(MRI)は、データが不十分であることから、BMMFががんリスク要因である可能性について評価を行うのは困難であると結論付ける。更なる調査研究が必要である。
 BfR及びMRIは、レッドミート及び加工肉の摂取とがんリスク上昇の関連性に関する過去の疫学研究や、ドイツ栄養協会(DGE)の助言に基づき、肉の摂取量は600g/週以下にすべきと助言する。一方で、現在の知見に基づき、牛乳の摂取は制限されることなく広く推奨される。母乳を与えることも、種々の疾病予防の一助となることから推奨される。
2.ドイツがん研究センター(DKFZ)は、BMMFに関する研究について情報提供を行った。
 DKFZの「がん及び慢性疾患におけるエピソーム様持続性DNA」研究チームは、主に牛肉及び牛乳から分離された(ヒトの検体からも分離された)プラスミドに似たエピソーム様DNAを「BMMFs」(Bovine Meat and Milk Factors)と呼ぶことにした。
 疫学上は、世界的に牛肉及び牛乳の摂取とがん(乳がん及び大腸がんなど)の罹患率上昇との間に関連性があるとされ、人獣共通感染症が発病のリスク要因である可能性が指摘されている。
 興味深いことに、BMMFsは多発性硬化症患者からも分離されている。また、BMMFsに匹敵する分解耐性をもつDNAがスクレイピー粒子調整試料から検出された(Manuelidis
, J. Neurovirol
, 2011)。更に、BMMF関連たん白質がマウス及びハムスターの中枢神経系や、ヒトの神経膠芽腫から検出されている(Yeh et al.
, PNAS
, 2017)。これらのことは、神経疾患との関連可能性を示している。
 今後、BMMFsの特定の疾病を引き起こす病原体としての機能を特定するために鍵となるのは、その感染機序及び持続性発生機序を理解することである。BMMFが関連すると推定される疾患指標のリストを完成させるために、新たなBMMFsの分離の継続が重要となる。
 DKFZの情報は以下のURLから入手可能。
https://www.dkfz.de/en/episomal-persistierende-DNA/groups/Research.html
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) -
URL http://www.bfr.bund.de/cm/343/neuartige-erreger-in-rind-und-kuhmilchprodukten-weitere-forschung-notwendig.pdf
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