食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05020170149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、モノ及びジグリセリド脂肪酸類と相互作用した酸化大豆油の再評価書を公表
資料日付 2018年10月10日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は10月10日、EFSAの食品添加物及び香料に関するパネル(FAFパネル : The EFSA Panel on Food Additives and Flavourings)による食品添加物としてのモノ及びジグリセリド脂肪酸類(mono‐ and diglycerides of fatty acids (E 479b)と相互作用した酸化大豆油の再評価書(2018年9月11日採択、20ページ、doi: 10.2903/j.efsa.2018.5420)を公表した。概要は以下のとおり。
 FAFパネルは、食品科学委員会(SCF)及び国連食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA)が同じ試験で、各々25 mg/kg 体重(bw)/日、30 mg/kg 体重(bw)/日の許容一日摂取量(ADI)を導出したが、異なる無毒性量(NOAEL)及び異なる不確実性係数を使用していることに留意した。
 E479bに対する吸収、分布、代謝、排泄(ADME)に関する信頼できる情報はなかった。豚での限定された亜慢性毒性試験で有害作用は検出されなかった。E479bに関する遺伝毒性のデータは入手できなかった。
 ラットでの慢性及び発がん性試験は、発がん性の可能性を示さなかった。FAFパネルは、病理組織学的検査が生殖器官を含む様々な器官で実施され、非腫瘍性病変の発生が全てのグループに均等に分布していることに注目した。更に、死亡率、血液学的及び生化学的パラメーターに変化は見られなかった。この試験で検尿は行われなかった。FAFパネルは最大用量試験で、雄、雌各々5
,400 mg/kg 体重(bw)/日、7
,400 mg/kg 体重(bw)/日のNOAELを特定した。
 FAFパネルは、副産物(例:エポキシド類(epoxides))がE479bの製造工程から発生する可能性があり、それがDNAに反応する可能性があると考えた。しかしながら、FAFパネルは、成分規格書によればE479bにおけるエポキシド類の最大許容量は非常に低く、完全にエポキシ化された大豆油でも遺伝毒性の可能性を示さなかったことに注目した。更に、慢性及び発がん性試験において発がん性の影響がなかったことは、最初の接触部における遺伝毒性の懸念を緩和した。
 生殖毒性に対する信頼できる試験は入手できなかったが、ラットの慢性及び発がん性試験で生殖器官における病変はなかった。発生毒性試験は入手できなかった。
 FAFパネルに入手可能な毒性学的データは、特にADMEデータ及び発生毒性試験がなかったため、現行のADIを裏付けするには不十分であった。
 唯一報告された使用量が最大許容量に等しかったため、FAFパネルは、規制のための最大ばく露評価シナリオに従ってE479bへのばく露を推定することができた。そのシナリオによれば、95パーセンタイルの高いばく露量は幼児で10.1 mg/kg 体重(bw)/日に達した。FAFパネルはまた、世界の市場で新たに販売される包装商品をモニタリングしているオンラインデータベースであるミンテルのグローバル新商品データベース(GNPD: the Mintel’s Global New Products Database)によれば、過去5年で新たにE479bのラベル表示がされたのはわずか数個の製品だけであり、製品のラベルによれば、この添加物を含有する新たな製品は2015年以降市場に投入されていなかった。FAFパネルは全体としてE 479bへのばく露量は過大評価されていると考えた。
 FAFパネルは、幼児における10 mg/kg 体重(bw)/日の最大推定ばく露量を慢性及び発がん毒性試験で特定された5
,400 mg/kg 体重(bw)/日(最大用量試験)のNOAELと比較して、安全マージン(MoS)は540であることに注目した。このMoSに基づき、FAFパネルは、特にE479bの現行の使用が限られているため、安全性の懸念はないと考えた。
 FAFパネルは、欧州委員会に対して次のとおり推奨した。
1. 食品添加物が食品における毒性元素(ヒ素、鉛、水銀及びカドミウム)へのばく露の重大な原因にならないことを担保するために、E479bのEU品質規格書におけるこれらの毒性元素に対する現行の基準値を引き下げるよう検討すること。
2. 現在食品添加物のモノ及びジグリセリド脂肪酸類(mono‐ and diglycerides of fatty acids(E471)に対するEU品質規格書に含まれており、EFSAの食品添加物及び食品に添加される栄養源に関する科学パネル(ANSパネル)の再評価(2017年)で注意喚起された不純物に対する最大基準値を含むE479bに対するEU品質規格書の改正を検討すること。
3. E479bを製造するために使用される大豆油は、天然のダイズ品種又は認可済みの遺伝子組換え(GM)ダイズ(欧州議会及び理事会規則(EC) No 1829/2003) だけを原料にしているということを明示して、EU品質規格書に規定されている「大豆油はダイズ品種からのみ製造されている」という説明書の改正を検討すること。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5420
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