食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04890180109
タイトル 米国国家毒性プログラム(NTP)「CLARITY-BPAコア研究に関するNTP報告書案:ラットにおけるビスフェノールA(BPA)の周産期及び長期的な広域用量範囲試験」を公表(1/2)
資料日付 2018年2月23日
分類1 化学物質
分類2 その他
概要(記事) 米国国家毒性プログラム(NTP)は2月23日、「CLARITY-BPAコア研究に関するNTP報告書案:ラットにおけるビスフェノールA(BPA)の周産期及び長期的な広域用量範囲試験」を公表した。概要は以下のとおり。(1/2)

 1.報告書案の構成

 今回の研究は、ビスフェノールA(BPA)の毒性に関する学問的及び規制上の知見に関連するコンソーシアム(Consortium Linking Academic and Regulatory Insights on Bisphenol A Toxicity:CLARITY-BPA)の一部である。このCLARITY-BPAの研究プログラムは2つの構成要素からなり、即ち、1)米国食品医薬品庁(U.S.FDA)の優良試験所規範(GLP)に従った国立毒性研究センター(NCTR)において実施された指針に適合した「コア」な長期的試験及び2)米国環境健康科学研究所(NIEHS)が資金提供し学術機関の研究者により、コア試験で得られた同じ量のBPAにばく露した妊娠ラットから生まれたラットを使用し、様々な健康影響の評価項目を実施する試験である。今回の報告書案は、指針に適合した「コア」な長期的試験のデータのみを含んでいる(249ページ、表1~表111、図1~図22)。

 2.2年間のBPAの毒性試験のデザイン

 妊娠6日目から陣痛開始及び続いて児ラットに対して母親と同じ量を生後1日目から試験終了の1年目又は2年目まで、NCTRのSDラット(Sprague-Dawley/CD23/NctrBR)に強制経口投与した。

 BPAの用量は、2.5、25、250、2
,500、25
,000μg/kg体重/日であった。0.3%のカルボキシメチルセルロース(CMC)をベヒクルとした対照群も含む。科学文献において、エストロゲンのシグナル経路と関連するBPAの影響が報告されているので、エストロゲン活性を有するエチニルエストラジオール(EE2)を0.05及び0.5μg/kg体重/日経口投与した継続した投与群も含む。更に、早期のばく露のみによる影響を調べるため、生後21日目まで投与し、その後試験終了時までBPA投与しない投与停止群も含む。

 試験したラット数は、BPA投与グループ又は対照群が性別あたり46匹から50匹、EE2グループが性別あたり26匹、更に、生後21日目から試験終了まで投与なしのグループが性別あたり46匹から50匹であった。

 3.試験結果一覧

 全ての非組織病理学の評価項目及び関連した統計上の知見を一覧表にして表1に記載した。表1では、組織病理学データについてコクラン・アーミテージ、フィッシャーの正確検定、Poly-3検定といった主な統計上の検定を適用し、統計上有意差のある評価項目のみを記載した。組織病理学のデータに対して全ての統計上の検定を適用し、更に、ヨンクヒール・タプストラ及びシャーリー検定並びに相対的処理効果検定を行った。統計上の有意差がある結果は、生物学的重要性に拘らず示した。

 4.試験全般について

 試験期間中に収集したデータにおいてBPA投与による重要な影響は僅かであった。試験96週目から104週目といった試験の後期において、250μg/kg体重/日投与を継続したグループの雌の平均体重は、対照群の体重よりも有意に多かった。他の期間においては、BPA投与群及び対照群で体重の統計上の有意差はほとんどなかった。臨床化学的評価項目又は器官の重量については、継続したBPA投与群又は投与停止群で、統計上有意差のある僅かな影響があったが、それらがBPA投与に関連しているかは明らかでなかった。

 5.結果(主に雌)

 投与停止群の2年目において、2.5μg/kg体重/日のグループで、雌の乳腺腺がん(adenocarcinoma)(BPA投与が22%に対し対照群が6%
,p=0.016)並びに腺腫(adenoma)又は腺がんの組み合わせで(BPA投与が24%に対し対照群が8%
,p=0.018)、統計上有意差のある増加があった。2年間の継続したBPA投与群では、雌の乳腺腫瘍(neoplasm)の増加は見出されなかった。NCTRにおいて行った同じ給餌での試験では、この系統のラットに対する限定的なヒストリカルコントロールは、2年間で、雌の乳腺腺がん又は腺腫のバックグラウンドは12%から17%であった。

 投与停止群の1年目又は2年目の終了時に乳腺におけるBPA投与に関連した有意差のある非腫瘍性の病変はなかった。継続したBPA投与群の1年目及び2年目において、2.5μg/kg体重/日で雌の乳腺の非定型の病巣(atypical foci)の増加があった。即ち、1年目及び2年目で、それぞれ、BPA投与が14%に対し対照群が0%及びBPA投与が15%に対し対照群が4%であった。NCTRにおいて行った同じ給餌での試験では、2歳の雌の対照群における限定的なヒストリカルコントロールは、11%から37%の範囲であった。

 継続したBPA投与群において、1年目に子宮の間質ポリープに対する有意差傾向(p=0.037)があったが、2年目ではこの傾向は見出されなかった。

 (訳注:1.~5.のタイトルは内容に沿ってつけた。)
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) -
URL https://ntp.niehs.nih.gov/ntp/about_ntp/rrprp/2018/april/rr09peerdraft.pdf
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