食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04890020314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、塩素酸塩のフードチェーンへの侵入に関する最新の意見書を公表
資料日付 2018年2月15日
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分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は2月15日、塩素酸塩のフードチェーンへの侵入に関する最新の意見書を公表した(2018年2月15日付け意見書 No.007/2018)。概要は以下のとおり。
 塩素酸塩は、塩素酸HClO3の塩である。過去には、雑草防除を意図して塩素酸ナトリウム及び塩素酸カリウムが使われていた。
 欧州連合(EU)では、塩素酸塩を含む植物保護製剤又は殺生物製剤の認可申請は認可されたことはない。しかし、塩素酸塩は、塩素系洗浄剤・消毒剤の使用により副産物として生じる場合がある。現在の知見に基づけば、塩素酸塩のフードチェーンへの侵入経路は、塩素処理された殺生物剤で消毒処理された水との接触であると考えられる。
 塩素酸塩は、冷凍野菜、フルーツジュース及びサラダ/ハーブ類などに存在する場合が多い。冷凍製品のグレージング、濃縮ジュースの希釈、ハーブ類及びサラダ類の洗浄に塩素酸水が使われることが原因であると考えられる。
 ヒトが塩素酸塩に頻繁にばく露すれば、ヨウ素吸収阻害に繋がる場合がある。欧州食品安全機関(EFSA)は、塩素酸塩に関する耐容一日摂取量(TDI)として0.003mg/kg体重/日を導き出した。塩素酸塩の単回摂取(急性ばく露)は、ヨウ素吸収阻への有意な影響は考えられないが、高濃度で摂取すれば、血球損傷に繋がる可能性がある。EFSAは、これらの影響を根拠に、急性参照用量(ARfD)として0.036mg/kg体重を導き出した。BfRは、健康に関するこれらの基準値に同意する。
 更に、BfRは、世界保健機関(WHO)の飲料水中の塩素酸塩に関するガイドライン(0.7mg/L)をより厳しくする考えを支持する。消費者の健康保護の観点に立てば、短期的には0.07mg/Lであれば許容できる。しかし、長期的には、飲料水中の塩素酸塩濃度はそれよりも低くすべきである。
 脆弱集団(新生児及び乳児)においては、乳児用調製乳のみを与えられる場合にばく露が最大となる(乳児用調製乳には、塩素酸塩で消毒された飲料水が使われる)。この場合、塩素酸塩の摂取量はTDIを超えるがARfDは超えないと考えられる。現在のデータに基づけば、塩素酸塩濃度が0.07mg/Lの飲料水をたまに摂取する場合は、脆弱集団においても健康影響は考えにくい。
 BfRは、個々の結果に関して評価を行う際は、消費者に対する急性の有害影響の可能性を考慮することを推奨する。評価では2種類の計算モデルがある。それらは、EFSAの残留農薬摂取量算出モデル(PRIMo)及びドイツにおける消費に関するデータ(NVS II Model)である。BfRは、これらのモデルと併せて、EFSAが導き出したARfDを用いることを推奨する。
 また、BfRは、塩素酸塩のフードチェーンへの侵入を低減し、消費者の負荷を軽減するための努力が奨励されるべきと考える。欧州委員会(EC)は、そのための行動計画を提案している。塩素酸塩が関連する分野(農薬、飲料水、ベビーフード及び食品衛生など)全体で、必要な段階を踏むための議論を行うのが狙いである。果実及び野菜がもたらす健康上の便益には議論の余地はないことから、消費者に対しては、食生活を根本から変えるべきではないと助言する。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/cm/343/der-eintrag-von-chlorat-in-die-nahrungskette-sollte-reduziert-werden.pdf
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