食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04790460104
タイトル Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)「仕出しの昼食によるウエルシュ菌集団感染症‐コネチカット州、2016年9月」
資料日付 2017年9月8日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  米国疾病管理予防センター(CDC)のジャーナルMorbidity and Mortality Weekly Report(Weekly/ September 8
, 2017 / 66(35);940?941)に掲載された概説「仕出しの昼食によるウエルシュ菌集団感染症‐コネチカット州、2016年9月(Notes from the Field: Clostridium perfringens Outbreak at a Catered Lunch ? Connecticut
, September 2016)、著者V. H. Leung (CDC)ら」の概要は以下のとおり。
 コネチカット州公衆保健局は2016年9月、仕出しの昼食を共に喫食した人に集団発生した胃腸疾患について公表した。オンライン調査を用いて、症状及び喫食物の情報を収集し、症例は昼食参加者で、昼食後24時間未満の腹痛或いは下痢の発症者と定義された。
 概ね50人の参加者のうち、30人(60%)が調査を完了し、そのうちの19人(63%)が症例定義に合致した。多数報告された主な症状は、下痢(18人中17)、腹痛(16人中15)及び頭痛(15人中7)であった。全症状での昼食から発症までの時間の中央値は5.3時間(範囲0.4~15.5)であった。下痢については7時間(範囲2.5~13)であった。発症した16人と非発症の10人の回答者(4人は食品ばく露情報の回答なし)からの報告による食品ばく露分析で、疾病は牛肉料理と関連があることがわかった。
 仕出し業者は前日に全ての料理を準備し始めた。肉類は部分的に加熱調理した後、冷蔵庫で一晩マリネされ、当日午前中、昼食の2時間前にソテーされた。施設の調査では、冷蔵庫の中は、調理済み食品で満たされた多数の容器類、再利用のために洗浄したと見られる使い捨て手袋、及び多孔質な木製のまな板で満杯となっていることが分かった。
 仕出し業者の食品取扱従業員4人は当時疾病の報告はなかった。従業員及び発症した参加者4人の糞便検体は、コネチカット州公衆衛生研究所での検査において、ノロウイルス、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌O157、サルモネラ属菌及び赤痢菌全てにおいて陰性であった。8検体全ては、ミネソタ州保健局公衆衛生研究所に送付され、追加検査を実施した。 従業員からの2検体は、PCR法により腸管毒素原性大腸菌に陽性であったが、腸管毒素原性大腸菌コロニーは分離されなかった。7検体(従業員4検体及び参加者3検体)は培養試験でウエルシュ菌陽性であり、参加者の検体全てからウエルシュ菌エンテロトキシンが検出された。パルスフィールドゲル電気泳動法では、培養試験陽性の検体から分離されたウエルシュ菌29株のうち、参加者の中では一致がなかったが、従業員2人の検体の間で一致する型が1つあった。検査可能な食品の食べ残しはなかった。
 報告された症状はウエルシュ菌感染の症状と一致しており、下痢の症状が顕著であり、下痢発症開始時間の中央値は、典型的なウエルシュ菌の潜伏期間(6~24時間)の下限値内であった。2人以上の患者からの便から検出されたウエルシュ菌エンテロトキシンにより、この集団感染の原因はウエルシュ菌と確定した。無症状の人がウエルシュ菌及び腸管毒素原性大腸菌の両方を保菌していることがあり、これが無症状の従業員の糞便中にこれらの病原菌が存在したことの説明となるかもしれない。パルスフィールドゲル電気泳動では、ウエルシュ菌が集団感染の原因であると確認できなかったが、今回の結果から、毒素を産生する全てのウエルシュ菌ばかりではなく、多種多様なウエルシュ菌株が存在する事実が追加された。
 ウエルシュ菌集団感染は、汚染肉の不適切な冷却と不十分な再加熱に関連しているということが典型的であり、それが今回の牛肉料理に起こったと考えられる。その料理業者は、十分な冷蔵、最適な食品の冷却を実践し、更には、プラスチック製ではなくステンレス製の容器を使用する、深さにして2インチ(5cm)以上内容物を入れない、容器を積み重ねない、熱い食品は空冷するようにとの勧告を受けた。 
 米国においてウエルシュ菌が原因の疾病は毎年100万人との推定があるが、ウエルシュ菌集団感染の報告は年間1
,200人に満たない。集団食中毒発生時の通常の検査にウエルシュ菌検査は含まれない。検査が実施されなくとも、食肉において不適切な冷却や、不十分な再加熱及び不適切な温度管理が確認された場合は、原因としてウエルシュ菌を考慮すべきである。
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/疾病管理予防センター(CDC)
情報源(報道) 米国疾病管理予防センター(CDC)
URL https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6635a3.htm?s_cid=mm6635a3_w
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