食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04690290314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、化学物質を使った家きん肉の汚染除去に関するQ&Aを公表
資料日付 2017年3月21日
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概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は3月21日、化学物質を使った家きん肉の汚染除去に関するQ&Aを公表した(2017年3月21日付け、4ページ)。概要は以下のとおり。
 家きん肉は他の食品と比べ、ヒトの胃腸疾患の原因となるカンピロバクター、サルモネラ属菌などの病原菌に汚染される場合が多い。汚染食品を介した感染を回避するには、家きんの繁殖段階からと畜、販売に至るまで、総体的な衛生概念が守られる必要がある。これらの予防措置自体が十分でない場合には、汚染除去措置の活用が一助となる可能性がある。 以下、14問のQ&Aから抜粋。
Q1:ドイツでは、家きん肉中の病原体が原因の感染症はどの程度か?
A1:近年、ドイツにおけるカンピロバクター症患者数は増加している。ロベルト・コッホ研究所に報告された患者数は、2013年63
,500人超、2014年71
,000人超で、2015年は約70
,000人であった。
 欧州食品安全機関(EFSA)が過去の調査データに基づき計算した結果(2010年)によれば、カンピロバクター症患者の約20~30%が家きん肉の摂取に起因しており、全患者の約50~80%に家きんとの関連性が見られた。
Q2:現在、家きん肉中の病原体抑制目的で欧州委員会(EC)が導入している規則は?
A2:食品に関する微生物基準を定めたEC規則No.2073/2005の規格は、家きんにも適用される。当該規則にはサルモネラ・エンテリティディス及びサルモネラ・ティフィムリウムに関する食品安全基準があり、この2種類の血清型は肉検体(1検体当たり25g、n=5)から検出されてはならない。
Q3:なぜ欧州連合(EU)では家きん肉の汚染除去工程が議論されているのか?
A3:今日の衛生措置は、カンピロバクターが、特に家きん肉に存在するのを抑制するのに十分ではないという事実による。消費者は食品が安全であって健康を脅かすものではないことを期待している。しかし、食品から微生物汚染を除くことは常にできるものではない。
Q4:家きん肉の「化学的汚染除去」とは?
A4:食品の「化学的汚染除去」とは、二酸化塩素や過酢酸などの抗菌性物質を使用することを意味し、サルモネラ属菌やカンピロバクターの汚染を抑制するのに用いる。
Q5:EUでは現在、家きん肉の汚染除去は認められているか?
A5:現在、家きん肉の表面の汚染除去には飲料水の使用のみが認められている。汚染除去物質は、家きん肉に関しては許可されていない。
Q6:ECは食鳥と体及び家きん肉の汚染除去に関してどのような提案を行ったか?
A6:ECは、家きん肉の衛生改善のために、食鳥と体及び家きん肉の汚染除去に特定の条件下での付加措置として過酢酸を使うことを許可する提案を行った。
Q7:食鳥と体に汚染除去物質を使用することは、消費者の健康に対するリスクとなるか?
A7:EFSAは、2014年に食鳥と体の汚染除去に取り組み、汚染除去物質としての過酢酸の安全性及び有効性に関して評価を行った。その結果、当該汚染除去手段は、病原体抑制のための適切な選択肢として付加される可能性があると結論付けた。過酢酸が食鳥と体及び家きん肉の細菌量低減目的で使用される場合、毒性学的見地から消費者への健康影響は予見されない。
Q8:食品に関する汚染除去物質は、健康の観点からどのように評価されるか?
A8:原則として、食肉に使用される汚染除去物質に関する毒性評価の手順は、加工助剤、食品添加物又は殺生物剤と同様である。殺生物剤には、消毒用物質及び汚染除去物質が含まれる。しかし、細部においては、これらの物質には種々の検査要件及び評価基準が適用される。現在、加工助剤に関しては特定の検査要件はないが、EFSAは汚染除去物質に関する評価基準のガイドラインを公表している。
Q9:汚染除去物質の使用に適用される規則とは?
A9:EC規則No.853/2004第3章2条動物由来食品に関する特定要件では、表面の汚染除去に関しては、飲料水以外にはECが認可した物質のみ使用が可能である。他の種類の食肉及び食品での汚染除去物質の使用は、EUでは既に許可されている(牛の二分体への乳酸の使用など)。
Q10:汚染除去に化学物質を使用することが耐性の出現に繋がる可能性は?
A10:一般に、汚染除去工程で使用される有効成分に対して細菌の耐性が生じる可能性は、消毒に用いる有効成分に対する細菌の耐性の発生と同様に重要視されている。更に、病原菌が問題の物質以外に、いくつかの抗生物質に対して耐性を獲得する危険性もある(交差耐性)。
Q11:汚染除去に化学物質を使用することは肉の品質に影響するか?
A11:物質によっては、汚染除去工程を経て、望ましい衛生上の効果を得られるのと同時に、色、風味及び食感などの官能的品質が逸脱する可能性がある。このような逸脱が許容されるかは、汚染除去肉の用途によると考えられる。
 現時点で、BfRは、過酢酸処理された家きん肉における官能的変化に関するいかなる分析結果も承知していない。
Q12:BfRは、家きん肉の汚染除去に化学物質を使用することについてどう考えるか?
A12:BfRの見解に基づけば、食品中の細菌を低減するために化学物質のみを使用することは、食品安全の向上にとって適切ではない。化学物質を使った汚染除去は、病原菌による汚染度を可能な限り小さくするのを担保することを意図した、家きん群及び食鳥処理施設における優良な衛生慣行に始まる一連の必要措置への付加的要素に留まる。
 汚染除去物質の使用における最も重要な要件は、健康影響をもたらさないことの担保である。BfRは、この点に関する調査研究及び考えられる健康影響についての評価を行っている。
 当該Q&Aは以下のURLから入手可能。
http://www.bfr.bund.de/cm/349/questions-and-nswers-on-chemical-decontamination-of-poultry-meat.pdf
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/en/questions_and_answers_on_chemical_decontamination_of_poultry_meat-200429.html
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