食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04500420470
タイトル 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、mcr-1遺伝子の拡散を低減させる対策を概説する緊急リスク評価書を公表
資料日付 2016年6月17日
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概要(記事)  欧州疾病予防管理センター(ECDC)は6月17日、mcr-1遺伝子の拡散を低減させる対策を概説する緊急リスク評価書を公表した(14ページ)。
1.近年mcr-1遺伝子の地球規模での拡散が知られ、欧州連合(EU)/欧州経済領域(EEA)も公衆衛生リスクに相当にさらされている。当該遺伝子は複数の大陸で広範囲に拡散しており、食料生産動物、食品、環境及びヒトなどの複数の異なる起源から分離された細菌中から検出されている。
2.新たなコリスチン耐性のメカニズムは異例の公衆衛生上の懸念事項である、なぜならば、多剤耐性(MDR)グラム陰性細菌感染症患者の治療選択肢が今後制限されること、また細菌間で容易に拡散できる(遺伝子がプラスミド上にある)ような薬剤耐性が移動しやすい型であるからである。
3.mcr-1遺伝子を獲得したカルバペネム耐性腸内細菌科細菌等のMDRグラム陰性細菌が感受性である抗菌性物質は数少なくなっている。このことはこれらの細菌に感染した場合に治療が極めて困難となり、致死率が高くなることを意味している。解決となるような新しい抗菌性物質が近いうちに開発されることは考えにくいため、mcr-1遺伝子の拡散防止及びコリスチン活性の保護のための対策をとることが急務である。
4.EU/EEAにおけるヒト臨床分離株でのコリスチン耐性の現在の陽性率や、mcr-1遺伝子によるコリスチン耐性の過去及び現在の出現率などの主要な情報が欠如してはいるが、mcr-1の今後の拡散の問題を深刻に捉え、EU/EEA諸国で注意深く監視していかなくてはならない。
5.当該緊急リスク評価書において、ECDCはmcr-1拡散と特定されたリスクの低減に必要と考えられるいくつかの施策を概説している。検査所におけるコリスチン耐性試験及びmcr-1の検出手法の改良、調査の改善、適切な臨床管理の選択肢、医療施設及び市中での感染防止のための対策などが盛り込まれている。
6.市中へのプラスミドに存在するコリスチン耐性拡散の防止策として、国内国外からの食材の定期検査に加え、mcr-1陽性のグラム陰性菌が食品を介して消費者にばく露しているかの状況を調査することが必要である。また、食料生産動物へのコリスチン使用を減らすなど、抗菌性物質の慎重な使用が効果的である。2016年5月に欧州医薬品庁(EMA)が提示したように、畜産の衛生条件の改善や抗菌性物質使用に代替する施策が実施されるべきである。
 当該緊急リスク評価書は以下のURLから入手可能。
http://ecdc.europa.eu/en/publications/_layouts/forms/Publication_DispForm.aspx?List=4f55ad51-4aed-4d32-b960-af70113dbb90&ID=1514
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
情報源(報道) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
URL http://ecdc.europa.eu/en/press/news/_layouts/forms/News_DispForm.aspx?ID=1436&List=8db7286c-fe2d-476c-9133-18ff4cb1b568&Source=http%3A%2F%2Fecdc%2Eeuropa%2Eeu%2Fen%2FPages%2Fhome%2Easpx
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