食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04480340149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、ヒトのリスク評価のための物質の非単調用量-反応に関する文献レビューを外部委託した科学的報告書を公表
資料日付 2016年5月3日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は5月3日、ヒトのリスク評価のための物質の非単調用量-反応(non-monotonic dose responses: NMDRs)に関する文献レビューをオーストリア保健・食品安全局(AGES)、フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、カロリンスカ研究所環境医学研究所(IMM)、オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)に外部委託した科学的報告書(2016年4月26承認、290ページ)を公表した。概要は以下のとおり。
1. 抄録
 本調査研究において、食品安全の領域における物質についての過去10年間(2002年以降)の査読済み科学文献を批判的に検証することにより、非単調用量-反応(NMDR)仮説の科学的根拠を評価した。
 本調査研究は、系統的レビューの方法論に基づき実施された。NMDRsの課題に関して公表されたこれまでの報告書の詳細な分析後、潜在的なNMDRsについての科学的根拠を含むin vivo研究、in vitro研究及び疫学研究/ヒトにおける研究を特定するために文献検索を実施した。文献を検討対象に含める基準及び文献の信頼性の基準を規定し、関連性と信頼性を有する研究を選ぶために用いた。5用量群以上を用いて行われた研究から用量-反応データセットを抽出し、PROASTソフトウェアパッケージ(※1)を用いて解析した。NMDRの考えられる科学的根拠を得るため、得られた用量-反応結果に6項目の確認事項を適用して評価した。それらの確認事項により、無作為誤差と無作為でない誤差(non-random errors)の両方に対処した。満たされた確認事項の数に基づき、NMDRsのもっともらしさ(plausibility)を評価した。
 合計で、(49研究から)202件のin vivoデータセット、(91研究から)311件のin vitroデータセット及び(2研究から)9件の疫学/ヒトデータセットを特定した。これらの中から、179件のin vivo用量-反応データセット及び13件のin vitro用量-反応データセットを解析し、確認事項を用いて評価した。23件のin vivoデータセットにデータ限界があり、それらのデータは、用量-反応解析には不適当とされた。in vitro研究については、表形式で示された用量-反応の連続データセットのみを解析した。疫学研究/ヒトにおける研究から得たデータセットは、いずれも解析することができなかった(疫学研究の1例については非連続データ(quantal data)(※2)のため、もう1例についてはデータ限界のため、解析されなかった)。
 in vivoデータセットのほとんどにおいて、見かけ上のNMDRは、用量範囲外の単一用量群によって引き起こされた可能性がある。合計して、179件のin vivoデータセットのうち10件が6項目の確認事項を満たした。この10件のデータセットには、ケルセチン(quercetin)、レスベラトロール(resveratrol)、α-ベンゼンヘキサクロリド(alpha-benzene hexachloride)及びメチル水銀(methylmercury)に関する研究が含まれていた。
2. 要約の結論部分(p. 6)
 本調査研究では、食品安全領域における化学物質の影響についてのin vivo研究、in vitro研究及び疫学研究/ヒトにおける研究において報告されたNMDR関係についての科学的根拠を評価するため、系統的レビュー方法論を用いた。研究論文を検索し、信頼性について選択及び評価し、そしてデータを抽出し、統計学的に解析した。また、6項目の確認事項を策定し、個別のデータセットにおけるNMDRの科学的根拠のレベルを評価するため、それらの確認事項を適用した。(4研究から得た)10件のin vivoデータセットのみが6項目の確認事項を全て満たした。それら4件の研究は、化学物質、ばく露の期間及び経路並びに研究された動物種及び結果(outcomes)に関して、デザインが様々であった。結論として、EFSAから要請されたとおり、(49研究から)202件のin vivoデータセット、(91研究から)311件のin vitroデータセット及び(2研究から)9件の疫学/ヒトデータセットの詳細な解析結果が報告された。(1)NMDRの科学的根拠、(2)データの評価、(3)リスク評価のための重要性の各基準について更に審議する必要がある。
(訳注)
※1:PROASTは、用量反応データの統計学的解析に用いるソフトウェアパッケージで、RIVMで開発された。PROASTは、NMDRsの基礎となる多くの仮定機序と一致する2種類のNMDRモデルを提供する。
※2:非連続データ(離散データ)は、人数や回数など、一般的に連続して推し測ることができないデータ。
 本報告書で検討された文献に関する情報をエクセルの表形式でまとめたものは、以下のURLから入手可能。
https://www.efsa.europa.eu/sites/default/files/scientific_output/files/main_documents/1027eax1.xlsx
 本報告書に関する報道発表資料は、以下のURLから入手可能。
https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/160503
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/sites/default/files/scientific_output/files/main_documents/1027e.pdf
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