食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04330020301
タイトル 論文紹介:「エネルギー代謝及び食物由来の脂肪肝疾患に対する感受性に関して、雄のマウスの胎児発達期間中のヒ素化合物ばく露の影響」
資料日付 2015年7月9日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  Environmental Health Perspectives (2015年7月7日電子版)に掲載された論文「エネルギー代謝及び食物由来の脂肪肝疾患に対する感受性に関して、雄のマウスの胎児発達期間中のヒ素化合物ばく露の影響 (Effects of Arsenite Exposure during Fetal Development on Energy Metabolism and Susceptibility to Diet-Induced Fatty Liver Disease in Male Mice)、著者E.J. Ditzel (Department of Pharmacology and Toxicology College of Pharmacy
,The University of Arizona
, 米国)ら」の概要は以下のとおり。
 背景:生涯の様々な時期及び広範囲に及ぶヒ素化合物への慢性ばく露は、心血管代謝性疾患(cardiometabolic disease)及び肝疾患に関与しているが、発達期のばく露由来の疾患の素因(predisposition)は不明確のままである。
 目的:3価の無機ヒ素が、代謝疾患に影響を及ぼすかどうかを明らかにするため、洋風の餌(Western diet、訳注:炭水化物、脂質及びたん白質の組成がkcalで標準的な米国の食事と同じ餌)を背景にして、子宮内及び離乳後の3価の無機ヒ素へのばく露を調べた。
 方法:雄のSwiss Websterマウスを使い、子宮内のみ又は子宮内及び離乳後並びに出生後のみ、100ppbの3価の無機ヒ素をばく露させた。離乳後には、一日中、洋風の餌を食べられるようにし、血漿中のメタボローム解析、肝臓の組織病理、肝臓の酵素活性及び遺伝子発現を調べた。
 結果:肝臓の脂質組成及び組織病理学では、発達期の3価の無機ヒ素へのばく露が、洋風の餌によって誘発された脂肪肝疾患を悪化させた。離乳後も継続した3価の無機ヒ素へのばく露は、体重増加、インスリン抵抗性、高血糖及び血漿中トリグリセリドを含む心血管代謝性疾患のリスク因子を高めた。3価の無機ヒ素は、解糖系及びTCA回路の中間体類の減少、一方、ケトン類の増加に影響を及ぼした。また、TCA回路のかく乱(disruption)を裏付ける、肝臓のイソクエン酸脱水素酵素活性が減少した。発達期の3価の無機ヒ素へのばく露は、脂肪酸の生合成、脂質生成(lipogenesis)、炎症及び増加したアセチルCoA負荷を示唆するトリグリセリドのパッケージングに関与する遺伝子発現を高めた。
 結論:子宮内及びそれに続く生後早期の3価の無機ヒ素へのばく露は、正常な代謝をかく乱し、高脂肪の餌を食べ続けたマウスにおいては、脂肪肝疾患のリスクを高めた。今回の知見は、重要な発達期間に3価の無機ヒ素にばく露した個人及び洋風の食事を背景にした、3価の無機ヒ素にばく露し続けている人は、生涯の後年(later in life)で代謝性疾患へのリスクが高まる可能性があることを示唆する。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) Environmental Health Perspectives
URL http://ehp.niehs.nih.gov/wp-content/uploads/advpub/2015/7/ehp.1409501.acco.pdf
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