食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04020690482
タイトル 香港食物環境衛生署食物安全センター、一般向けの月刊ニュースレター「Food Safety Focus」2014年3月号を発行
資料日付 2014年3月19日
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分類2 -
概要(記事)  香港食物環境衛生署食物安全センターは3月19日、中国語・英語併記による月刊ニュースレター「Food Safety Focus」の3月号(第92号、PDF版4ページ)を発行した。概要は以下のとおり。

1. 注目の出来事:2013年食品事故レビュー

 香港環境衛生署食物安全センターは毎日、香港、海外メディア及び食品安全当局が発表する食品事故に留意している。より多くの食品事故情報を把握するために、同センターは国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)や食品・飼料早期警戒システム(RASFF)等の国際食品安全情報ネットワークに加入している。
 2013年に同センターが確認した食品事故は1
,000件で、2012年と同様である。ほとんど(98.1%)が香港の事案ではない。また、約300件あまりはアレルゲン未表示による回収事案であり、そのうち3種類の製品が香港で販売されていた。

 2013年にメディア及び市民が注目した重大な食品事故は以下のとおりである。

(1)粉ミルクにボツリヌス菌汚染の疑い、(2)台湾の食品からマレイン酸検出、(3)英国の牛肉ラザニアに馬肉

2. 食品安全プラットフォーム:直火で焼いた食品と食品安全

(1)直火で焼いた食品

 直火で焼いた食品とは一般的に乾熱調理した食品を指す。これは液体のない加熱調理方法の一種で、出来あがった品には独特の香りがある。ブロイリング(broiling、熱源が食品の上にある)、グリリング(grilling、熱源は食品の下にある)、ロースティング(roasting、熱源は食品の周囲にある)等の調理方法がある。

(2)直火で焼いた食品のハザード

 直火で焼いた食品に関する健康上の最大の懸念は多環芳香族炭化水素(PAHs)及びヘテロサイクリックアミン類(HCAs)であり、これらは加熱調理の過程で生じる汚染物質である。焼く温度は通常、煮る・蒸すといった調理方法より高いため、直火で焼いた食品にはPAHs及びHCAsが比較的多く含まれる可能性がある。例えば、焼肉は中火から強火(330℃以上で)でグリル又はロースト、チャーシューは中火(220℃以上)、焼き鳥は中弱火(160℃~200℃)でグリル又はローストする。また、家庭におけるその他の調理方法では一般的に食品が熱源から離れているが、焼く時の装置や設備はその逆で、食品から溶けた油が熱源の上に落ち(炭火焼等)、上がった煙が更に多くのPAHsを肉に付着させてしまう。一般的に、ブロイリング(熱源が食品より上にある)の場合、食品中のPAHs含有量は比較的少ない。脂肪が熱源の上に落ちないからである。また、炭、まき等の不完全燃焼によっても、PAHsが生成する可能性がある。よって、ガスや電気よりも炭火焼ではPAHsが多く生成する。

(3)リスク低減のためのヒント

 FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)はヒトが食事から摂取するPAHsの推定量は健康への影響が大きくない量であるとの見解を示している。しかし、我々はやはり可能な限りPAHsの摂取量を減らすべきである。消費者はバランスがとれ、バラエティーに富んだ食事を維持し、直火で焼いた食品を食べすぎてはならない。焼くときは時間が長すぎたり温度が高すぎたりしないようにし、できるだけ煮る又は蒸すといった調理方法に変えるべきである。JECFAは焼く際は食品が炎と触れないようにし、かつ熱源は上にある方がよいと助言している。直火で焼いた食品を好む消費者はPAHs及びHCAsの生成が少ない食品を選ぶとよい。報告によると、肉類、家きん及び魚類等、筋肉組織(たん白質)が多い食品は加熱調理後にHCAsが比較的高濃度で検出されるが、たん白質を含むその他の食品(例えば卵、豆腐)にはごくわずかな量のHCAsしか含まれていない。また、消費者は外皮・外殻が食べられない食品(例えば、さつまいも、皮つきのとうもろこし、二枚貝、殻を除去していない甲殻類海産物)を選ぶと良い。外皮・外殻によりPAHsが食用部位にしみ込むのを防ぐことができるからである。

 PAHs及びHCAsの他にも、直火で焼く食品にはもう一つの安全上の懸念として微生物汚染がある。比較的低温での加熱、加熱調理時間の短縮によりPAHs及びHCAsの生成を抑えることができるが、病原菌を死滅させるために肉類はやはり十分な加熱が必要である。

3. 食品事故ハイライト

(1)パン中のアゾジカルボンアミド

 先月、サブマリンサンドイッチを販売する世界的なチェーン店が消費者の圧力のもと、米国とカナダで販売するパンにアゾジカルボンアミドを使用することを停止すると公表した旨メディアが報じた。アゾジカルボンアミドを使用して作られたパンの安全問題は注目のニュースとなった。WHOは、アゾジカルボンアミドの主な懸念は職業性喘息を引き起こすリスクがあることだが、アゾジカルボンアミドを含むパンの喫食によりこのような健康影響が生じることは確認されていないとの見解を示している。コーデックス委員会及び一部の国(米国、カナダ、中国、韓国等)ではパン中のアゾジカルボンアミド含有量について基準値を設定している。

(2)二酸化硫黄と食物アレルギー

 二酸化硫黄は一種の保存料で、ドライフルーツ、漬物、ソーセージ、野菜や果物のジュース、リンゴ酒、酢、酒類等、種類の異なる食品や飲料に広く用いられている。食品中に残留する二酸化硫黄の毒性は低いが、二酸化硫黄に敏感な人は喘息の発作、頭痛、悪心等のアレルギー反応が起こる場合がある。

4. リスクコミュニケーション関連業務の概要
地域 アジア
国・地方 香港
情報源(公的機関) 香港食物環境衛生署食物安全センター
情報源(報道) 香港食物環境衛生署食物安全センター
URL http://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/files/FSF92_2014_03_19.pdf
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
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