食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03950420314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に関するFAQを更新
資料日付 2013年11月11日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は11月11日、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に関するFAQを更新した(7ページ)。概要は以下のとおり。
 MRSAは、以前は主として病院で検出され、ヒトからヒトへ接触感染するものであった。近年、病院外でヒトが感染する症例数が増加した。MRSAは食料生産動物及び食品でも検出され、ヒトに感染する可能性がある。BfRは、MRSA及びフードサプライチェーンにおけるMRSAの存在に関するFAQを作成した。
Q1:MRSAにはどのような分類があるのか?
A1:存在する場所及び感染する場所により、3つのグループに分類される。
・病院内で感染するMRSA(院内感染型MRSA:HaMRSA)(大部分がこれである)
・病院外でヒトからヒトへ接触感染するMRSA(市中獲得型MRSA:caMRSA)
・食料生産動物に存在し、家畜と常に接触する職業にあるヒトに感染するMRSA(家畜関連MRSA:laMRSA)
Q2:食料生産用動物によってMRSAの保菌率は異なるのか?
A2:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は、ヒト及び動物双方の通常の状態の皮膚及び粘膜の細菌叢に生着している。S.aureusは、かねてより特に牛の乳腺の炎症(乳房炎)の原因菌と認識されてきた。食料生産動物では、動物群内でよく検出される特定のMRSAの型がある。これは、肉用豚を飼育する農場の50%以上で検出され、また、食用子牛及び七面鳥を飼育する農場の20%でも検出された。この家畜関連MRSAは、大体が特定の類縁株(clonal complex
, CC)398に属している。動物での定着は通常は病気と無関係である。しかし牛では、このMRSA株が他のS.aureusの場合と同様、乳腺の炎症を引き起こす場合がある。
Q3:食品中にMRSAはどの程度存在するのか?
A3:現在の知見では、全ての動物の生肉にMRSAが含まれている可能性がある。しかしMRSAの濃度は通常極めて低い。人獣共通感染症のモニタリングの一環として、連邦及び地方当局が様々な動物の肉についてMRSA検査を行った。2009年~2012年の検査では、一部の生鮮食肉がMRSAに汚染されていたことが明らかになった。検出率は11.7~43.4%であった。子牛肉、豚肉、鶏肉及び七面鳥肉についてMRSAの検査が行われ、七面鳥肉が最も検出率が高く(43.4%)、次いで鶏肉(23.7%)であった。七面鳥肉に関する2010年のデータで生鮮食肉検体の32%がMRSA検査で陽性の結果であったことが、これらの結果を裏付けている。
Q4:ヒトは食品からMRSAに感染するのか?
A4:これまでのところ、食品が原因とされるヒトのMRSA感染例の報告はほとんどない。わずかな報告例では、食品のMRSA汚染は、感染者が原因となっていた。多くの食品はS.aureusに適した環境ではない。つまり細菌は容易に増殖することができない。
 基本的に、加熱殺菌乳、ロースト又は加熱調理された肉など、加熱処理が施された食品は全て安全である。しかし、加熱処理された食品が再び汚染されることのないよう注意しなくてはならない。
 現在の知見では、全ての動物種の生肉には、通常極めて低濃度であるがMRSAが含まれている可能性がある。個々の例では、鶏肉を解凍する際に出る水には、MRSAの菌数がさらに多く含まれていることがある。
Q5:消費者が食品及び食料生産動物で検出されるMRSAから身を守るためには?
A5:MRSAの定着に対しては、食品及び動物を取り扱う際の通常の衛生面の推奨事項に従う。つまり、動物と接触した後及び生の肉を取り扱う前後には、石鹸及び水でしっかりと手洗いを行う。さらに、動物又は生の肉に口を直接接触させないよう注意する。衛生面に関するこれらの注意事項の実践は、サルモネラ属菌、カンピロバクター及びベロ毒素産生性大腸菌(VTEC)などの他の病原体からも身を守ることにつながる。
Q6:ドイツでは、MRSAは他の国よりも多くみられるのか?
A6:ヒトのMRSA感染に関するデータは、欧州疾病予防管理センター(ECDC)がとりまとめている欧州薬剤耐性サーベイランスネット(EARS Net)により欧州全域で収集され公表されている。それによると、2007年~2010年にドイツの敗血症の入院患者から分離されたS.aureus株のうち、平均で約20%にMRSAが確認された。
 病院でのMRSA出現率は、欧州の他の国々と比べるとドイツは中位にある。スカンジナビア諸国及びオランダでは、何十年にもわたりMRSAの管理及び監視努力が集中的に行われた結果、MRSAの拡大は少し抑えられた。英国及び南欧諸国では、S.aureus全体でのMRSAの割合ははるかに高い。7か国において低減傾向が見られた一方で、ドイツを含む4か国では、侵襲性S .aureusの分離株全体でのMRSAの割合が増加した。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/cm/349/questions-and-answers-about-methicillin-resistant-staphylococcus-aureus.pdf
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。