食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03721200475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、サプリメントに緑茶粉末を使用することの安全性について意見書を公表
資料日付 2012年10月25日
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分類2 -
概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は10月25日、サプリメントに緑茶粉末を使用することの安全性について競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受けて2012年8月7日付けで提出した意見書を公表した。
 緑茶はチャノキ(Camellia sinensis (L.) O. Kuntze)やその栽培品種の未発酵若葉を加熱急速脱水し(酵素不活化とカテキン類保存)、乾燥することで、得られる。この茶の原料には(一般的には煎じて使用)、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、没食子酸エピカテキン(ECG)、ジ没食子酸エピカテキン、エピカテキン(EC)、ガロカテキン、カテキンなどのフェノール化合物を含んでいる。
 緑茶のポリフェノールに対する一般的な暴露量は様々で、緑茶1杯分の総ポリフェノール量(カテキンを含む)は300~400mg (Bruneton 2009)、緑茶葉3gの浸出で溶出するカテキンは14mg (Afssa 2004)、ティーバッグ1杯分(100mL)の没食子酸エピガロカテキン(EGCG)は平均で77.81mg(EFSA-ESCO et al. 2009)などとされている。
 栄養専門委員会(CES NUT)は粉末の茶を有効成分とするサプリメントを摂取しても、欧州食品安全機関(EFSA)が設定した0.5mg/kg/日のADIを超えるEGCGの摂取とはならないことが重要であること指摘した。
 ラットの肝細胞を使った様々なカテキンの評価ではEGCG、ECG
, エピガロカテキン(EGC)及びECの順で毒性が低くなることを示している(Galati et al. 2006年)。また、ラットの肝細胞を使った緑茶の80%含水アルコール抽出物はEGCGによる肝臓毒性作用が最も大きいことを示した(Schmidt et al. 2005年)。膵β細胞由来培養細胞株HIT-T15で、EGCGの酸化促進作用が明らかにされた(Suh et al. 2010)。
 反復投与毒性試験では、ラットの肝臓バイオマーカー(総ビリルビン値)から無毒性量(NOAEL)を約500mg/kg/日とするもの、犬ではNOAELが約450mg/kg/日また空腹時の犬ではNOAELが40mg/kg/日など、様々な報告がある。
 CES NUTは、投与物質が没食子酸エピガロカテキン(EGCG)の含有量が殆ど一致していない水溶性緑茶(the vert aqueux)エキスであったり、また含水アルコールエキスであったりなので、これらの試験結果を比較することは困難であると指摘した。しばしば、投与物質の成分組成が詳細にされていないカテキンの混合物であったり、また使用した実験動物のラットの系統も明らかにされていないなどの問題もある。
 CES NUTは、申請書の毒性学的データと分析がEFSA-ESCO(EFSA-ESCO et al.
, 2009:EFSAのESCO科学協力プロジェクト)の資料のデータ全体を反映していないことに留意した。
 CES NUTは、投与製品に大きな違いがあるので、実験結果を比較することは困難であることを付言する。これらの投与製品(produits administres)は、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)が僅かにしか含まれていない水溶液の緑茶抽出物、又は含水アルコール抽出物である。製品はしばしば成分が不明のカテキンを混ぜた混合物であり、実験に使用したラットの種も不明である。更に、委員会はウサギを使った発生(胚)毒性試験が行われていないことを指摘する。
 欧州食品安全機関(EFSA)が植物や植物を原料とした製剤の安全性評価に必要な科学的データに関する、2つのレベル(既に長期にわたる消費歴があり無害性が推定されるAレベル、及びAレベル以外のもので安全性に関する追加データが必要とされるBレベル)のアプローチ(EFSA-ESCO、2009年)を開発し、ガイドラインを発行している。ANSESは、申請者がBレベルの評価に相当する全ての科学的データに関する資料を提出して、ANSESが緑茶粉末使用の安全に関して結論が得られるようにしなければならないことを指示した。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.anses.fr/Documents/NUT2011sa0130.pdf
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