食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu03690680373 |
| タイトル | スペインのカタルーニャ州食品安全機関、ライムギ麦角菌に関するニュースレターを公表 |
| 資料日付 | 2012年10月1日 |
| 分類１ | - |
| 分類２ | - |
| 概要（記事） | スペインのカタルーニャ州食品安全機関10月1日、ライムギ麦角菌に関するニュースレターを公表した。概要は以下のとおり。 1. 英国食品基準庁(FSA)の調査 FSAの2011年の調査では、大半の乳児用食品でマイコトキシン含有量は検出限界値以下であり、欧州連合(EU)の最大許容量(MPL)を超えるものはなかった。リンゴジュースでは25サンプル中、2サンプルからパツリンを検出し、そのうち1サンプルは最大基準値50μg/kgを上回ったことから市場から回収された。穀物製品からは、100サンプル中12サンプルから2～169μg/kgのアルカロイド類が検出された。しかしながら、これらの分析結果を評価するEU規則は存在しなかった。 2. ライムギ麦角菌 ライムギ麦角菌は、ライムギだけでなく他の穀物の穂にも寄生する(特に赤紫色の)麦角菌類に属するかびの名称である。穀粒の代わりに菌核を形成し、穀粒を製粉する前に適切な選別を行わなければ粉に混入する。麦角中毒の症状は重篤であり、壊疽及び痙攣が現れる場合がある。ライムギ麦角症による血管収縮によって四肢の血液循環が阻害され、壊疽が引き起こされ四肢を失ったという過去の事例もある。また、幻覚も引き起こした。 菌核中に多くみられるアルカロイドは、エルゴメトリン、エルゴタミン、エルゴシン、エルゴクリスチン、エルゴクリプチン、エルゴコルニン、及びこれらに関連する形態である。各アルカロイドの分布及び量は麦角菌株の特性、宿主の種類、また、気候(湿度が増殖を促進する)及び地理的条件により異なる。 3. 法的枠組み 食用の穀物及び穀物製品中のライムギ麦角菌を管理するEU規則は存在しない。欧州委員会(EC)は2000年、穀物の菌核に0.05%の基準値を設定した。 スイス及びドイツでは利用可能な毒性学的データに基づき、食用のライムギの総麦角アルカロイドの基準値をそれぞれ100μg/kg及び400～500μg/kgとしている。 スペインでは政令465/2003により、菌核に1000㎎/kgの基準値が定められている(訳注：挽いていない穀物を含有する飼料中のライムギ麦角菌の基準値)。 欧州食品安全機関(EFSA)は2005年、本件を検討し、菌核中のアルカロイド濃度は0.01％～0.5％とばらつきがあることから、菌核量と総ライムギ麦角菌アルカロイドは関連づけられないと結論づけた。 米国及びカナダでは、穀物中の菌核のMPLは300㎎/kgである。また飼料においては、カナダ及びウルグアイは各動物の特性に応じて450～9 ,000μg/kgの基準値を定めている。 4. 背景 ライムギ麦角菌中毒は20世紀初頭までヒトでよくみられたが、現在では過去のものとされている。しかし、国際連合食糧農業機関(FAO)の1982年の調査「マイコトキシンの展望」は、「ヒトにおける大流行は頻繁ではないが小規模の感染は発生し続けている。しかし、家畜では麦角中毒症は頻繁に発生している」としている。 5. 原因となり得るもの 麦角中毒症リスクの偶発的な再興の原因の1つとして、既に過去のものとされたために注意及び適切な予防がされなかったことが考えられる。このため、汚染リスクを増大する可能性のある栽培技術などを改正するべきかどうか評価することが適当である。他の因子としては、気候の変化による温度上昇が挙げられる。 6. リスク ライムギ麦角菌の急性毒性は比較的穏やかで、菌核の致死量は10～15gである。1日に300～400gのパンを食する場合、致死量に達するにはこのパンが約3%のライムギ麦角菌(原文どおり）を含有しなければならない。その場合、粉は紫、茶又は青が混ざっており、汚染は一目瞭然である。 また、少量又は微量を繰り返し摂取する場合、検出及び影響評価が非常に困難である。ライムギ麦角菌が産生するエルゴタミンの極量は、6mg/日で10mg/週とされている。 欧州食品安全機関(EFSA)の科学パネル(CONTAMパネル)は2012年、EUの食品及び飼料中のライムギ麦角菌アルカロイドの利用可能なデータ及び影響を評価し、摂取量0.6μg/kg体重/日は許容でき、ヒトにリスクを及ぼさないと結論付けた。 7. 結論及び展望 実際のリスクは低いが、食品及び飼料中のライムギ麦角菌アルカロイドの監視及び管理は他のマイコトキシン同様、行っていかなければならない。 当該ニュースレター(スペイン語)は以下のURLから入手可能。 http://www.gencat.cat/salut/acsa/html/es/dir3226/acsabrief2012_08-09cornezuelo.pdf |
| 地域 | 欧州 |
| 国・地方 | スペイン |
| 情報源（公的機関） | スペインカタルーニャ州食品安全機関(ACSA) |
| 情報源（報道） | スペインカタルーニャ州食品安全機関(ACSA) |
| URL | http://www.gencat.cat/salut/acsa/html/es/Du58/index.html |
（※注）食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要（記事）は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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