食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03570480373
タイトル スペインのカタルーニャ州食品安全機関(ACSA)、エルシニア・エンテロコリチカに関するニュースレターを公表
資料日付 2012年4月17日
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分類2 -
概要(記事)  スペインのカタルーニャ州食品安全機関(ACSA)は4月17日、エルシニア・エンテロコリチカに関するニュースレターを公表した。概要は以下のとおり。
1. 拡大する新興感染症、エルシニア・エンテロコリチカ感染症
 近年、新興感染症と特定されたエルシニア・エンテロコリチカは30年以上前から知られている。欧州連合(EU)の公式統計によると、エルシニア・エンテロコリチカは欧州において食品に関する感染症例件数が第3位の人獣共通感染症である。最新の公表データでは、EU内の近年の感染者数は約8
,000人である。
2. エルシニア・エンテロコリチカの特性
(1) エルシニア属は腸内細菌科のグラム陰性通性嫌気性桿菌で、食品容器中の調整空気などに含まれる酸素で増殖することができる。また、冷蔵で保存される食品中で、0℃に近い温度であっても増加できる。エルシニア属のすべての生物型が病原性ではなく、感染量は不明ではあるが、生物型1B、2、3、4、5のみが実際にヒトに対し病原性がある。
(2) 欧州食品安全機関(EFSA)によると、病原性の生物型検査での適切な特定が必要であることから、培養及び分離が複雑である。エルシニア・エンテロコリチカの検出のための標準法を示すISO 10273が、参考技術として推奨される。
(3) 最終的な確定には、分離株の病原性を確定することのできる他の技術が必要である。このため、死細胞の検出感度向上及び偽陽性の結果リスクの低減のために増幅工程が必要であり、病原体の予備的選定の有効的な手段としてPCR法が使用されている。
3. 発症
(1) 病気の原因の多くは豚、豚肉及びその加工品である。生又は十分に加熱されていない豚肉製品が最も重大であると考えられているが、牛、めん羊、山羊によって感染する可能性もある。実際に、無殺菌乳及び無殺菌水の摂取後の感染が多い。
(2) 潜伏期間は4~7日で、症状は1~3週間、稀にそれ以上続く。8歳以上の者及び成人における主な症状は腹部右側の痛み及び発熱であるため、虫垂炎と間違われることがあるが、臨床分析結果で虫垂炎の可能性は排除される。一部の症例では、発疹、関節痛又は血流中の細菌増加などの合併症が発生する。
(3) エルシニア・エンテロコリチカ感染は、小児において、また、冬季に多く発生する。
4. 疫学データ
(1) EFSAが公表したデータによると、平均して、欧州連合(EU)加盟国全体の豚肉の試料の4.8%からエルシニア・エンテロコリチカが検出されている。また、スペイン食品安全栄養庁(AESAN)は、2006年にスペインにおいて、食用にと畜された動物の0.7%からエルシニア・エンテロコリチカ株を分離したことを示した。
(2)スペインの病院の34か所の研究所は、2008年に325症例のエルシニア症を報告した。全ての症例はエルシニア・エンテロコリチカによるものであり、そのうちの110症例で血清型O3 を同定した。EU全体では、エルシニア・エンテロコリチカ感染の確認が報告された症例数は、2009年に7
,595症例、人口10万人あたり1.65症例であり、3番目に多い人獣共通感染症である。
5. 現在の状況
(1)市民に対する人獣共通感染症リスクが想定されることから、EUは、食品汚染及び欧州市民の通常の食物摂取環境におけるエルシニア・エンテロコリチカに関連する情報を収集し、可能な場合は加盟国間で比較することを目的とするEU指令2003/99/ECを制定した。
(2) EFSAは、エルシニア・エンテロコリチカ汚染が最もよく検出される豚及びと畜場の全国的な調査を行うことを推奨する。したがって、調査対象はと畜場の生体体重50~170kgの豚となる。
(3) 試料採取では、細菌が最も容易に検出できる組織は扁桃であることが知られており、と体の価値を下げないことから、扁桃は、欧州全域において分析すべき試料でなくてはならない。また、と畜場でのと体処理後の交差汚染を避けるため、試料は同じと畜ラインで採取されることが義務付けられる。
(4) 安全な食品を市場に送ること及びHACCPシステムの原則の適用は企業の責任であることから、食品ハザードとしてのエルシニア・エンテロコリチカの分析を含めた適切な予防措置を適用することは不可欠である。
6. 予防手段
(1) と畜場では、肉と他の食品の交差汚染を避けるために適正衛生規範の適用が必要である。
(2) 生又は十分に加熱されていない豚肉の喫食を避ける。
(3) 殺菌された乳及び乳製品のみを喫食する。
(4) 喫食及び食品を調理する前、及び、動物と接触後及び生肉を扱った後は、水及び石鹸で手を洗う。
(5) 生肉から食品を調理する際は、交差汚染を予防する。 
 当該ニュースレターは以下のURLから入手可能。
http://www.gencat.cat/salut/acsa/html/es/dir3226/acsabrief_2012_03-04_yersinia_es.pdf
地域 欧州
国・地方 スペイン
情報源(公的機関) スペインカタルーニャ州食品安全機関(ACSA)
情報源(報道) カタルーニャ州食品安全機関(ACSA)
URL http://www.gencat.cat/salut/acsa/html/es/Du58/index.html
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