食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03510480480
タイトル オーストリア連邦保健省(BMG)、AURES-オーストリアにおける抗生物質耐性の状況に関する報告書を公表
資料日付 2012年1月19日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  オーストリア連邦保健省(BMG)は1月、AURES-オーストリアにおける抗生物質耐性の状況に関する報告書について公表した。
AURESは、オーストリアの抗生物質耐性の状況に関する公式な報告書で、オーストリアで抗生物質耐性を監視するためBMGの作業チームによって作成された。
 AURESの目的は、持続及び比較可能で代表的なオーストリアに関する情報と国際的なデータとの比較に関する報告書である。AURESは、オーストリアの抗菌物質の使用を最適化するために貢献するものである。
1.侵襲性の病原性細菌における抗生物質耐性
(1) 肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae):8分離株のみが、ペニシリン耐性(2%)。マクロライド系抗生物質に対する耐性は10%で減少傾向。
(2)黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus):過去4年間は減少が継続するも、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)比率が再び若干上昇(7.5%)。全ての分離株はバンコマイシンに感受性あり。
(3) 腸球菌(enterococci):アミノペニシリン及びアミノグリコシド耐性比率は過去数年と比較してほとんど変わらず、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)比率はE. faecalis 及び E. faeciumで各々1%、4%と低い。
(4) 大腸菌:2001年~2007年に、オーストリアにおける消費習慣と関連したアミノペニシリン、フルオロキノロン、第3世代のセファロスポリン系及びアミノグリコシド耐性大腸菌が大幅に増加。2008年及び2009年に耐性菌の比率はわずかに減少し、2010年は変化なし。(アミノペニシリン51%、フルオロキノロン20%、第3世代セファロスポリン系7.5%、アミノグリコシド5.5%)。 ESBL(基質特異性拡張型βラクタマーゼ)の比率は10%。
(5) 肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae):2010年に耐性菌比率がフルオロキノロン(18%)、第3世代のセファロスポリン系(12.5%)及びアミノグリコシド耐性(5%)が突然増加。ESBL比率は最高の比率13%に達した。
(6)緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa):アミノグリコシド耐性は安定(7.7%)も、フルオロキノロン(14.5%)、セフタジジム(8.2%、+1.7%)、ピペラシリン/タゾバクタム(8.5%、+1.8%)は増加。最も大幅な増加はカルバペネム(14.7%、+6%)で検出。
2.非侵襲性の細菌性病原体における抗生物質耐性
(1) 上気道及び下気道(n=2
,142)からのグループA連鎖球菌は肺炎球菌(n=1
,138と比較して外来/入院患者における耐性菌比率は低い。(グループA連鎖球菌:4.1/7.2%、肺炎球菌13.9/19.9%)
(2)ESBL産生(producing)大腸菌:尿サンプルからのESBL産生大腸菌は6.7%で過去2年間変わらない。全ての大腸菌でフルオロキノロン耐性は高く(18.5%)、ESBL陽性大腸菌の比率は非常に高い(81.5%)。スルファメトキサゾール/トリメトプリム耐性も、同様の結果78.5%/26.8%)を示した。
(3)プロテウス・ミラビリス(訳注:大腸菌変形菌)に、β-ラクタム系抗生物質に対する耐性が高い(33~34%)。
(4)黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)/MRSA:病院に関連したMRSAは安定(9.8%)。リネゾリド又はバンコマイシン耐性のある細菌は分離されていない。
(5) 深部呼吸器官からの分離株では、多くの抗生物質への耐性菌比率が増加:ピペラシリン/タゾバクタム(4.6%→14.7%)、カルバペネム(9.4%→18.8%)シプロフロキサシン(12.6→16.1%)。耳由来の分離株は、アミノグリコシド(4.1%→5.0%)、シプロフロキサシンで減少(9.2%→3.8%)を示した
3.カンピロバクター
 2011年に4
,405例のカンピロバクター感染症の報告があった。高いフルオロキノロン及びテトラサイクリン耐性比率が、ヒト及び食品からのCampyrobacter jejuni及びC. coliの分離株に認められた。フルオロキノロン耐性が、カンピロバクターで最も顕著であるが、 C.jejuniとC. coliは依然として、アモキシシリンクラブラン酸、ゲンタマイシン及びイミペネムなどの臨床で使用される医薬品への感受性はある。三つ以上の抗生物質に対する耐性は、主にC. coli中で観察された。マクロライドに対する耐性は低いレベルで安定していた。
4.サルモネラ属菌
 2010年にサルモネラ国立リファレンスセンターに送られた一次ヒト分離株の数は21.9%とさらなる減少が報告された。最高の耐性比率は、アンピシリン、ストレプトマイシン、スルホンアミド及びテトラサイクリン、更にナリジクス酸で見られた。
 AURES 2010(330ページ)は以下のURLから入手可能。
http://bmg.gv.at/cms/home/attachments/4/5/8/CH1318/CMS1285326153775/aures_bericht_final1.pdf
地域 欧州
国・地方 オーストリア
情報源(公的機関) オーストリア連邦保健省(BMG)
情報源(報道) オーストリア連邦保健省(BMG)
URL http://bmg.gv.at/home/Schwerpunkte/Krankheiten/Antibiotikaresistenz/
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