食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05940500475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、AGEC法の枠組みで、内分泌かく乱物質として食品に表示すべき物質のリストにビタミンD3を含めないように勧告する旨の評価書を公表
資料日付 2022年10月27日
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概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は10月27日、AGEC法の枠組みで、内分泌かく乱物質として食品に表示すべき物質のリストにビタミンD3を含めないように勧告する旨の評価書を公表した。概要は以下のとおり。
 ANSESは、廃棄物対策と循環型経済に関する法律(通称:AGEC法)の枠組みで、内分泌かく乱物質として食品に表示すべき物質のリストにビタミンD3を含めないよう勧告する。
 ビタミンD3(コレカルシフェロール)はヒトの身体の正常な機能に不可欠であり、骨組織の質に決定的役割を果たしている。同ビタミンは食品(乳製品、魚、卵)から供給され、日光にさらされた皮膚で生成される。しかし、フランス人の3人に1人以上が、ビタミンD3の生理的必要量を満たしておらず、これは公衆衛生上の重大な懸念となっている。小児科学会は、くる病予防のために子供に体系的なビタミンD補給を推奨している。
 また、ビタミンDは他のビタミン類とは異なり、ホルモンのような働きをするため、内分泌系に作用する。ビタミンDの摂取量が多すぎる場合、内分泌のバランスが乱され、健康に悪影響を及ぼす。
 そのため、コレカルシフェロールは、欧州化学品庁(ECHA)の評価の際、殺生物性製品規則(EU) No 528/2012の枠内で内分泌かく乱物質として同定された。しかし、ANSESは、殺鼠剤で使用されるコレカルシフェロールの量は、ビタミンD強化食品を含む一般的な食品から供給されるビタミンDの量よりもはるかに多いことを強調する。
 AGEC法は、製品に含まれる内分泌かく乱物質と見なされる全ての物質について、消費者に情報を与えることを規定している。ANSESは評価の後、食品表示(又は同等の情報措置)でコレカルシフェロールを内分泌かく乱物質として認識することは、リスクについての誤った認識を与える元となりかねず、一部の人々がビタミンD含有食品の摂取をやめる可能性があると考えた。
 したがって、この表示は、ビタミンDの必須栄養摂取量に対する供給量の不足を助長する可能性がある。フランス国民の食品摂取及び食習慣に関する第三回目の調査結果(INCA3)によると、フランスの成人国民の食事からの平均ビタミンD摂取量は、18歳~79歳で3.1 μg/日であり、然るべき摂取量として設定された15 μg/日を大きく下回っている。
 また、ANSESはビタミンDと同様、ヨウ素等の他の栄養素は、栄養学的な量ではヒトの健康に有益であるが、多量に摂取すると内分泌系を混乱させることにより有害影響を及ぼす可能性があることを強調する。したがって、同庁は、食品表示の対象となる内分泌かく乱物質のリストにこれらを含めることにも賛成できない。
 当該評価書(フランス語、20ページ)は以下のURLから入手可能。
https://www.anses.fr/fr/system/files/NUT2022AST0099.pdf
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL https://www.anses.fr/fr/vitamine-d-pas-affichage-perturbateur-endocrinien-produits-alimentaires