食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05400160149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、メタフルミゾンに関する現行の最大残留基準値(MRL)のレビューに関する理由を付した意見書を公表
資料日付 2020年6月17日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は6月17日、メタフルミゾン(metaflumizone)に関する現行の最大残留基準値(MRL)のレビューに関する理由を付した意見書(2020年4月27日承認、60ページ、
doi: 10.2903/j.efsa.2020.6123)を公表した。概要は以下のとおり。
 メタフルミゾンは欧州議会及び理事会規則(EC) No 396/2005の施行日の2008年9月2日以降に認可されたため、EFSAは同規則第12条第1項の規定に従って、現行のMRLのレビューに関する理由を付した意見書を提出する義務がある。
 植物中のメタフルミゾンの代謝は主要作物及び輪作作物において調査された。代謝試験及び残留物試験の結果に従って、規制及びリスク評価に関する全般的な残留物の定義はメタフルミゾン(E-及びZ-異性体の合計)として提案可能である。レタス及びはくさいにおいて代謝物のM320I04が定量限界(LOQ)を上回り、その毒性に関して結論が出せなかったため(データギャップ)、葉菜類に関するリスク評価の残留物の定義案は暫定的と考える。加工済み作物を想定した加水分解及び加工試験の結果に基づき、残留物の定義は暫定的にメタフルミゾン(E-及びZ-異性体の合計)及びM320I04をメタフルミゾンとして表す、として提案される。合計した0.02mg/kgのLOQで四つの主要な植物中(未加工の作物)の定義された残留物を規制するためのバリデーションのとれた分析法が利用可能である。
 利用可能な残留物の試験データは、データが利用できないケール、安全な使用が特定できないスカロール及びブロッコリーを除き、評価対象の全ての作物に関するMRL案及びリスク評価の値を導出するのに十分であると考えられた。
 メタフルミゾンは家畜に給与する可能性がある作物への使用が認可されている。したがって家畜の飼料中の残留濃度の算出が、経済協力開発機構(OECD)のガイダンスに従って様々な家畜のグループに関して実施された。牛、豚及びめん羊に関する飼料中の残留濃度が0.1mg/乾物kgのトリガー値を上回った。したがってこれらの家畜のグループ中の残留物の動態が評価された。
 家畜中のメタフルミゾンの残留物の代謝が、本レビューにおいて算出された飼料中の残留濃度の最大値を含む用量割合で泌乳ヤギ及び採卵鶏で調査された。これらの試験結果に従って、規制及びリスク評価に関する残留物の定義はメタフルミゾン(E-及びZ-異性体の合計)として提案される。
 反すう動物の乳及び組織中のMRL及びリスク評価値を導出するために、泌乳牛に関する家畜飼養試験が使用された。
 本レビューの枠組みにおいて報告された認可済みの用途に由来する慢性及び急性の消費者ばく露量が、EFSAの残留農薬摂取量算出モデル(PRIMo)3.1版を使用して算出された。MRLを導出するにはデータが不十分なケールに関して、EFSAは算出の目安として現行の欧州連合(EU)のMRLを考慮した。リスク緩和措置を実施しないシナリオ1(EU1)において、急性参照用量(ARfD)の超過が特定された(レタスARfDの208%、スカロール 同154%、ブロッコリー 同122%)。ARfDの超過は加工作物に関しても観察された(スカロール ARfDの254%、ブロッコリー 231%)。レタスに関する代替のMRL(EU南部のデータセットに限る)を考慮し、算出量からスカロール及びブロッコリーを除外したEU2のシナリオにおいて、慢性ばく露量の最高値は許容一日摂取量(ADI)の15%(GEMS/Food G10 diet)、急性ばく露量の最高値はARfDの92%であった(未加工のレタス)。ブロッコリーに関する加工試験は加工係数が利用できなかったため、リスク評価を精緻化する必要がある(データギャップ)。
 本レビューの枠組みにおいて評価されたMRLを別にして、メタフルミゾンに関する国際的に推奨されるコーデックス委員会のMRL(CXL)が設定されている。したがってこれらのCXLを考慮して追加的な消費者ばく露量の算出が実施され、ARfDの超過が特定された(レタス ARfDの146%)。このCXLを計算から除くと、慢性ばく露量の最高値はADIの15%(GEMS/Food G10 diet)、急性ばく露量の最高値はARfDの92%(レタス)であった。
 植物中のメタフルミゾンの限られた代謝、及び両方の異性体が同じ毒性を持つと結論付けた過去の毒性試験を考慮し、本レビューにおいて報告された認可済みの用途に関して最終的な残留物中の異性体の割合の変化の可能性が懸念事項であるとは考えにくい。
EFSAによるMRLの改正案は以下のとおり(抜粋)。
品目      現行MRL mg/kg   MRL改正案 mg/kg
馬鈴薯       0.05          0.02
トマト        0.6           0.7 管理当局の更なる検討を要する
ピーマン      1            1.5     同上   


地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) -
URL http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6123