食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05320230470
タイトル 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、欧州連合/欧州経済領域及び英国における、2013年以降のOXA-244(カルバペネマーゼ)産生大腸菌の増加に係る迅速リスク評価書を公表
資料日付 2020年2月18日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州疾病予防管理センター(ECDC)は2月18日、欧州連合/欧州経済領域(EU/EEA)及び英国における、2013年以降のOXA-244(カルバペネマーゼ)産生大腸菌の増加に係る迅速リスク評価書(12ページ)を公表した。概要は以下のとおり。
 OXA-244産生大腸菌の検出例の増加に関連したECDCの薬剤耐性及び医療関連感染に関する疫学情報システム(EPIS AMR-HAI)での緊急調査及びドイツにおける大腸菌sequence type (ST) 38のクラスターの特定の後、EU/EEA諸国の国立公衆衛生リファレンス研究所は、欧州レベルでの解析のためECDCへ全ゲノムシークエンス解析(WGS)データの提出を要請された。これらの欧州の集約データによって、OXA-244産生大腸菌の症例が2013年から2015年の間で33件検出されており、その後2016年では31件、2017年は21件、2018年は83件、2019年は116件検出されたことが示された。WGSデータにより、1つの主要な、地理的に拡散した、blaOXA244を染色体DNAにコードする大腸菌ST38のクラスターが、データを提出したすべての国に存在することが確認された。当該クラスターの大半は2018年及び2019年に検出された。
 EU/EEA及び英国におけるOXA-244産生大腸菌の伝播経路及び感染源は現在不明である。ドイツにおいて少数の症例で時間及び場所の重複が確認されており、ヒトからヒトへの伝播の可能性が示されている。医療関連クラスターは観察されておらず、医療施設における伝播では、病院紹介ネットワークでつながっていない国内の様々な地域や10か国にも及ぶ(症例の)広範な分布を説明できない。
 検出困難なカルバペネマーゼ(OXA-244)産生大腸菌の症例数の増加は市中感染の懸念を引き起こす。複数の国で急速に同時に増加していることを考慮すると、EU/EEAにおける同菌の更なる拡大のリスクは高いと推定される。
 地域社会での同菌の伝播は、EU/EEAにおいて重篤な大腸菌感染の治療の選択肢としてカルバペネムが失われることにつながり得るリスクとなる。したがって、EU/EEAでの同菌の伝播経路及び感染源を見つけるための更なる調査及び適切な管理措置の実施が緊急に必要である。
 食品(動物又は非動物由来)から、又は環境との接触或いは動物との直接的な接触による伝播と仮定することもできる。しかしながら、欧州において食品又は動物を起源とするOX-244産生大腸菌分離株は今まで確認されていない。OXA-48様カルバペネマーゼ(産生菌)が蔓延している地域から輸入された食品又は動物製品、或いは国内由来の食品であっても、潜在的な寄与因子として排除することも確定することもできない。しかしながら、潜在的な公衆衛生への影響を考慮すると、OXA-244産生大腸菌に汚染された食品及び動物製品が広範な地理的地域に広がった可能性について調査する必要があるだろう。したがって、当該集団感染に寄与しているOXA-244産生大腸菌に汚染された環境、作物、動物及び食品の可能性について明らかにするために更なる調査が考慮される必要がある。
 当該リスク評価書は以下のURLから入手可能。
https://www.ecdc.europa.eu/sites/default/files/documents/RRA-E-coli-OXA-244-producing-E-coli-EU-EEA-UK-since-2013.pdf
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
情報源(報道) -
URL https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/rapid-risk-assessment-increase-oxa-244-producing-escherichia-coli-eu-eea