食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05040490485
タイトル 英国公衆衛生庁(PHE)、2017年8月にイングランドで発生した志賀毒素産生性大腸菌(STEC)O157 集団感染に関する調査書を公表
資料日付 2018年10月17日
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概要(記事)  英国公衆衛生庁(PHE)は10月17日、2017年8月にイングランドで発生した志賀毒素産生性大腸菌(STEC)O157 集団感染に関する調査書を公表した(64ページ)。
 2017年8月に、遺伝的関連のあるSTEC O157株に感染した患者4人の小集団(クラスター)が確認された。この菌株はstx2a毒素亜型を保有していた。この毒素型は疾病を重症化させ、深刻な合併症で主に腎臓に影響する溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症させることで知られている。1患者がHUS 発症後死亡している。
 複数の当局による患者への再聞き取り調査、関与食品の採取及び検査などの調査が実施された。聞き取り調査から、3人の患者はイヌの餌(主に生肉、特に反すう動物の胃袋(tripe))にばく露していたことが判った。2人の患者はその胃袋を同じ供給業者から購入していた。
 1人の患者は生のペットフードには関連していなかったが、牛及びめん羊は英国ではSTECの主な保菌動物であることから、恐らく別のルートで同じSTEC株にばく露したかもしれない。これは、例えばペットフードの供給チェーンに入った感染動物に直接又は間接的にばく露したかもしれない。その他にも、患者は気づかないうちに生肉主体の餌にばく露していたり、ばく露したことを思い出せるかもしれない。
 生のペットフードを採取し微生物学的スクリーニングを実施したところ、製品からSTECの存在が示された。STECは生の胃袋の1検体から分離されたが、ヒトに感染した株とは異なっていた。しかしながら、STECが分離されたことは、胃袋が微生物汚染されていたこと、それもヒトの健康リスクとなる病原菌による汚染であったこと、胃袋が本集団感染の妥当な感染経路であるとの証拠を提示したことになる。このことは、生肉主体のペットフードが胃腸炎の病原体による人獣共通感染症感染リスクの要因となっている証拠を付け加えるものである。これはサルモネラ属菌、リステリア及びカンピロバクターについては、既にかなり広く認められていることである。
 ペットに生肉を給餌することは近年人気が出てきており、それは入手しやすくなったことと、動物に健康上の便益があると信じる人がいるからとみられる。まだ数的には少ないが、生肉主体のペットフードにばく露したSTEC症例の増加が2017年に検出された。2017年の生のペットフードによる事件数も増加しており、生のペットフードからヒトへのリスクが増加する傾向が示唆されている。事件管理チームは、感染リスクを低減させるための最善の方法はリスク検知力を向上させ、生のペットフードを取り扱う時には各人が優良衛生慣行を実践することであると結論付けた。
 当該報告書は以下のURLから入手可能。
https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/748774/STEC_O157_PT21.28_Outbreak_Report.pdf
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国公衆衛生庁(PHE)
情報源(報道) 英国公衆衛生庁(PHE)
URL https://www.gov.uk/government/publications/shiga-toxin-producing-escherichia-coli-o157-outbreak-august-2017