食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04960530314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、ケシの種子に含まれるアヘンアルカロイド類に関して情報提供
資料日付 2018年6月5日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は6月5日、ケシの種子に含まれるアヘンアルカロイド類に関して情報提供を行った(2018年6月5日付け情報提供 No.018/2018)。概要は以下のとおり。
1.概要
・ケシの種子は、油脂及びたん白質を含むことから、焼成品及びクッキングオイルなどに使用される。ケシの未熟な実から取る乳汁(ラテックス)はモルヒネ及びコデインなどのアヘンアルカロイド類を含み、これらは薬理用途に使用される。ケシの種子自体は、アヘンアルカロイド類はごく少量しか含まないが、機械を使って収獲する際に、種子がアルカロイド類を含むラテックスに接触して汚染される場合がある。
・2018年5月16日、欧州食品安全機関(EFSA)は、ケシの種子中のアヘンアルカロイド類に関する最新の意見書を公表した。ケシの種子検体中のモルヒネ及び他のアルカロイド類に関するデータに基づいて評価が行われた。その中で、モルヒネ及びコデインに関するグループ急性参照用量(ARfD)として、モルヒネ量として10μg/kg体重が導き出された。BfRは、EFSAの現在の意見と同じ考えである。
 EFSAは、BfRによる評価手法(2005年)に沿って、薬理活性が示される最小単回経口投与用量でのARfDを導き出した(2011年)。
 EFSAの評価の基となったデータからは、食用ケシのモルヒネ濃度には、ケシの種類、収穫時期及び産地に関する地理的条件により幅があることが示された。アヘンアルカロイドを高濃度で含むケシの種子では、全ての年齢集団において健康に関するガイドライン値を超過する可能性がある。比較的低濃度でアヘンアルカロイドを含むケシの種子では、多量摂取する消費者においてのみ超過すると考えられる。通常、食用として栽培されるケシからは低濃度で検出される。
 BfRは、引き続き、ケシの種子中の薬理活性アヘンアルカロイドを技術的に可能な範囲で低減するためのあらゆる努力をすべきであると助言する。
 EFSAの現在のばく露推定からも、アヘンアルカロイド類を高濃度で含むケシの種子を摂取する場合に、全ての年齢集団において健康に関するガイドラインを超過することが示されている。従って、BfRは、特に妊婦に対して、アヘンアルカロイド類を高濃度で含むケシの種子を過剰摂取しないよう、助言を継続する。
2.本文より抜粋
・EFSAは、2011年にモルヒネに関して導き出したARfDである10μg/kg体重を検証し、ケシの種子検体中のコデイン濃度を考慮すべきであると助言する。従って、ARfDは、モルヒネ及びコデインに関する、モルヒネ当量としてのグループARfDである。
 2011年、EFSAは、薬理活性を示す最小単回経口投与量でのARfDを導き出した。不確実性の選定に当たり、EFSAは、最小影響量(LOEL)の無毒性量(NOEL)への外挿及び感受性の個人差を考慮した。しかし、アルコール摂取又は薬剤摂取が伴うことにより有害影響が強まる不確実性は排除した。
 アヘンアルカロイドが低濃度で検出されるのは、主に食用に栽培されるケシである。ノスカピン及びパパペリンに関しては、現時点で入手可能なデータからはハザードの特徴付けはできない。しかし、食事経由ばく露と臨床推奨用量との比較に基づけば、何らかの健康影響があるとは示唆されない。
 テバイン及びオリパビンに関しては、データが不十分であることからリスクの特徴付けは行われなかった。動物実験で得られた結果からは、急性の致死率はモルヒネと比べテバインでより高かった。食事経由推定ばく露量は、人の健康影響となる可能性がある。
  EFSAは意見書の中で、テバインがオリパビン及びモルヒネに変換するエビデンスにも言及している。BfRは、モルヒネ及びコデインに関して提案されているグループARfDが、他のアヘンアルカロイド類(特にテバイン)にも適用されるかを明らかにするために、種々のアヘンアルカロイド類に関するデータを精査する必要があると考える。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/cm/343/gehalte-an-pharmakologisch-aktiven-opiumalkaloiden-in-mohnsamen-sollten-auf-das-technologisch-erreichbare-mindestmass-gesenkt-werden.pdf