食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04940730376
タイトル スコットランド食品基準局(FSS)、食品安全における地理学の利用に関して情報提供
資料日付 2018年5月4日
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概要(記事)  スコットランド食品基準局(FSS)は5月4日、食品安全における地理的要素の利用に関して情報提供を行った。概要は以下のとおり。
1.地図は、火山や地殻プレートに関する学習に使われたり、鉄道施設などに隣接する特定地域で市街地や工業地帯が発展する理由を見つけ出すために使われる。
 地図は公衆衛生目的でも使用されたことがある。1848年、ロンドンでコレラが大流行した際に、John Snow(訳注:コレラの大規模集団感染の感染経路を特定した功績により疫学の祖の1人とされる英国の内科医)は死亡者のマッピングに地図を用いた。その時のエビデンス及びコレラに関する同医師の知見から、Broad通りの井戸が感染源であると特定された。
 現代においては、腸管出血性大腸菌O157などの病原体に関するマッピングを行い、患者と居住地、家畜飼育地域、自家水道の場所との関連性を調べることが可能である。このような地図利用は、家畜との接触、自家水道水の摂取及び汚染食品の摂取がどのように病因となり得るかに関して理解するのにも役立つ。
2.FSSの職員は、種々の種類のデータを地図に落とし込み分析する作業の重要な部分を進めている。完成した地図は、「地理情報システム(GIS)」としてまとめられ、FSSの仕事の大半の範疇で使用可能となる。
 FSSは、食品事業者(食品製造者、小売店及びレストラン)に関する国レベルのデータベース「Scottish National Database」を準備中である。完成後は、これらの全ての位置情報を地図に落とし込むことが可能となる。
 当該ツールは、成人及び小児が、入手可能な食品を広範に探す一助となると考えられる。例えば、スコットランドの初等学校及び中等学校周辺にある全ての食品店の種類及び軒数を反映させた地図を作成することにより、学校周辺の食品環境を理解するための一助とすることも可能である。
3.食品の輸出入に関するトレーサビリティの維持は重要である。それにより、消費者は食品の原産国を確認することが可能となる。英国の欧州連合(EU)からの離脱が近づく中、新たな貿易の機会が生じると考えられる。また、スコットランドの多くの港湾において食品の輸出入が増えると考えられる。これらの取引を地図に反映させることにより、フードチェーンに関する理解が進み、輸出される食品の種類を知ることに繋がると考えられる。これにより、将来は、消費者が購入する食品の真正性が表示通りであることを担保し得る検査の実施頻度などに関し、リスクに基づく政策決定が可能となると期待される。
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) スコットランド食品基準局(FSS)
情報源(報道) スコットランド食品基準局(FSS)
URL http://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/the-geography-of-food