食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04561010149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、科学的意見書等における著者資格に関する原則を変更 (2/2)
資料日付 2016年9月15日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は9月15日、科学的意見書等における著者資格について対象の拡大など現行の原則を見直す論説(2016年9月8日承認、3ページ、doi: 10.2903/j.efsa.2016.e14091)を公表した。概要は以下のとおり。
4. 変更後の枠組み
 全ての現役科学者が聞かれたら証言するように、著者資格の付与は、時には論議を呼ぶ可能性があり、論争が起こることもある。医学雑誌編集者国際委員会(International Committee of Medical Journal Editors: ICMJE)や出版倫理委員会(Commission on Publication Ethics: COPE)のような組織のガイドラインが利用可能であり、また、(訳注:著者資格付与の)制度は、研究プロセスにおける様々な関係者の貢献及び役割を明確にするために進化している。EFSAの科学的助言の作成は、大学や研究機関における研究と多少異なるが、草稿の作成、データ解析、検証などにおける原則は共有されるものである。
 EFSAは、その業務の共同研究的な性質を反映させるため、以下の役割に基づき著者資格を認定する枠組みを、科学委員会の是認を経て、採択した。
表1:科学的成果物の作成における役割の分類(役割の明確化と範囲)
(1)任務:任務を設定、諮問事項の明確化
(2)方法論:評価手法の開発又はデザイン、具体的な評価案件に適用する方法論の明確化、方法論の効果的な適用、モデルの作成
(3)科学的根拠の収集:データ収集及びデータ管理
(4)計算:プログラミング、ソフトウェアの開発
(5)解析:データや情報を解析するための統計学的技術の適用
(6)成果物の制作:科学的成果物の草稿の作成や編集
(7)検証:批判的なレビュー、解説又は改訂
(8)データの表示:データの視覚化、説明、要約
(9)採択又は是認: 科学的成果物の承認
 この枠組みは、著者資格の適格性の評価に用いられるが、誰の著者資格を認定するかについての決定は、以下の基準に基づく。
a) 業務への顕著な科学的貢献
b) 草稿作成や業務の批判的評価における役割
c) 業務の正確性及び完全性についての説明責任
d) 確定版の承認
 上記4つの基準のうち2つ以上を満たす全ての貢献者は、著者として記載されることが可能であり、その他の全ての貢献者は、謝辞欄に記載される。著者資格に関する決定には個人的意見が求められ、該当する科学的成果物の担当ユニット長によって行われるが、必要な場合には裁定のため部門長の参考意見が付される。
5. 表記の順番
 EFSAは、科学的成果物の表ページ(表紙)に共著者(科学パネル、科学委員会又はEFSA)及び個人著者を以下の順番で記載する。
1) 科学パネル、科学委員会又はEFSAの名称(筆頭著者)
2) パネル又は科学委員会の座長
3) アルファベット順でパネル又は科学委員会のメンバー
4) アルファベット順で作業部会のメンバー(座長を除く)
5) アルファベット順で職員
6) アルファベット順で訓練生
7) 作業部会の座長
6. 利益相反、少数意見、著者資格を拒否する権利
 利益相反を宣言しているパネルのメンバーは、著者資格の認定を受けることができず、また、利益相反の存在については裏ページ(2ページ目)で示さる。全てのパネルメンバーのリストを裏ページで提示することは継続される。同様に、少数意見を当該成果物の裏ページで記録することも継続される。即ち、少数意見を表明したパネルのメンバーも著者として記載することができる。パネルのメンバーを除く全ての認められた著者は、著者資格を拒否する権利を有する。
7. 結論
 我々は、この領域におけるEFSAの規範の見直しにより、EFSAの科学的評価に貢献する人々にとって、文書で十分に裏付けられ、信頼できる、透明性の高い(訳注:著者資格規準の)枠組みが生み出されることと確信する。この枠組みは、EFSAジャーナルが著者名を示す際の一貫性並びに出版記録の明白な識別の提供に役立つ研究者識別子(ORCIDs)※の導入により補完される。
※訳注:国際非営利組織ORCIDが研究者を識別するため、世界中の研究者に付与する固有のID。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2016.e14091/pdf