食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03230650314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、意見書「トルコの黒海沿岸産のツツジ科植物由来ハチミツのグラヤノトキシンによる中毒」を公表
資料日付 2010年10月15日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、意見書「トルコの黒海沿岸産のツツジ科植物由来ハチミツのグラヤノトキシンによる中毒」(2010年9月3日付)を公表した。概要は以下のとおり。
 トルコの黒海沿岸産のハチミツは、グラヤノトキシンを多量に含んでいる場合があり、それにより急性中毒(めまい、血圧低下、徐脈、麻痺、悪心、嘔吐など)を起こすことがある。グラヤノトキシンは植物性自然毒で、特にトルコの黒海沿岸に広く分布するツツジ科植物に含まれる。当該ハチミツを摂取すると、救急処置が必要なほど重篤な中毒症状を呈する場合がある。ヘッセン州消費者保護省から中毒症例※が報告されたのを受け、BfRはグラヤノトキシン含有ハチミツの健康リスクを評価した。
 科学文献では、特定のツツジの花のハチミツ(トルコ野生ハチミツ、黒海ハチミツ、bitter honey、mad honeyとも呼ばれる)の作用について多数の記述がある。トルコの黒海沿岸の住民は、当該ハチミツが中毒を起こすことを知っている。彼らは当該ハチミツを代替医薬品としても使用する。動物実験でグラヤノトキシンの毒性作用が確認されている。グラヤノトキシン含有ハチミツによるヒトの中毒データは、中毒を起こした際の摂取量が大きく異なることを示している。トルコの医師らによると、それはハチミツの成分が異なるためである。ハチミツは地元の養蜂家によって生産されることが多く、その際他のハチミツと混合されることはない。
 グラヤノトキシン含有ツツジは北米及びアジアに生育するが、中毒は当該植物が優勢な地域でのみ想定される。ドイツのように当該植物が観賞用に栽培されるにすぎない地域では、ツツジ由来ハチミツ中のグラヤノトキシンの濃度にリスクはないと考えられる。
 トルコの黒海沿岸産のハチミツは、健康に有害な量のグラヤノトキシンを含む可能性があるため、摂取しないよう勧告する。当該ハチミツがドイツで流通しているかどうかBfRは把握していない。
 ※ヘッセン州の中毒症例:摂取4時間後に意識障害及び徐脈を呈し、24時間以内に症状が緩和した。当該ハチミツからグラヤノトキシンⅢを43mg/kg検出した。花粉は主に栗とシャクナゲ(ツツジ科)のものを検出した。当該ハチミツは少量(たとえば5g)でも、含まれるグラヤノトキシンにより中毒を起こす可能性がある。
 本意見書の概要の英語版は以下のURLから入手可能。
http://www.bfr.bund.de/cm/245/cases_of_poisoning_through_grayanotoxins_in_rhododendron_honey_originating_from_the_turkish_black_sea_region.pdf


国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報 No.22/2010(2010.10.20)化学物質 p11-12 http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2010/foodinfo201022c.pdf
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/cm/208/vergiftungsfaelle_durch_grayanotoxine_in_rhododendron_honigen_aus_der_tuerkischen_schwarzmeerregion.pdf