食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu01210180188
タイトル フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、チーズの微生物に関する意見書
資料日付 2005年12月6日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、複数のリスク管理機関からチーズにおける微生物について諮問を受けた。
1.カンタル及びサレールのAOC(原産地呼称統制法)チーズにおけるリステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)の菌数変化研究
 カンタルチーズ職業間委員会が実施したカンタル及びサレールチーズの製造・熟成工程におけるリステリアの菌数変化の研究で導かれた結論の科学的妥当性について、食品総局から科学的・技術的支援を要請された。当該研究の結論からは、確かに熟成期の終わりにはリステリアの数が低減すると言える。しかしながらこれは熟成期間が長い場合(7~10ヶ月の試験期間)に限り妥当性をもつ(AOCに課せられる最低の期間は、カンタルで1ヶ月、サレールで3ヶ月)。一方でこの研究からは、商品化された製品の全てが消費時に100cfu/gの閾値を下回ると結論付けることはできない。リステリア危害を制御するのに熟成だけでは十分でなく、衛生リスクを最小限にするためには、使用する乳そのものの品質及び技術的制御が最も重要な要素となる。
2.伝統的な特徴を示す乳製品における黄色ブドウ球菌及びその毒素の基準に係る科学的・技術的支援要請
 黄色ブドウ球菌の衛生指標基準の超過だけでなく、その毒素の検出という観点から、木製の桶の例外的使用を拒否することの正当性について食品総局から意見を求められた。AOCのサレールチーズには、カード(凝乳)の移動まで木製桶を使用することが課されている。製造工程で黄色ブドウ球菌が高レベルで観察されるのはこのチーズに特有の製造技術に由来するもので、桶の使用とは関係がない。桶の使用と黄色ブドウ球菌毒素との関係は、現在のデータからは確定できない。従って、黄色ブドウ球菌及びその毒素に起因する衛生リスクの低減には結びつかないことから、木製桶を使用する特例を拒否することは適切であるとはいえない。
3.競争消費不正抑止総局及び保健総局から、チーズ製造における木製桶の使用に起因するリスク評価に係る意見要請/食品総局から、当該リスクの評価及び管理に係る科学的・技術的支援要請
 木製の桶は、伝統的なチーズ製造技術において生乳への菌の植付け及び加工に用いられ、搾乳時にはこの桶で直接生乳を収集する。2004年の製造期に病原性細菌(リステリア、黄色ブドウ球菌等)汚染によるサレールチーズの回収が相次いだことから、こうした製造工程が特殊なリスクを引き起こす可能性が指摘された。AFSSAは、以下の2点について意見を求められた。
(1)文献データ、科学研究及び疫学データを考慮すると、桶による乳の収集及びチーズの製造条件は消費者にとって微生物のリスク過剰となるか?
 この2つの病原菌により不適正とされた乳製品が異常に多く見られた。リステリアについては、桶の内側に定着するおそれがあるため、リスク過剰の原因になる可能性は排除できない。従って、搾乳の全般的な衛生及び家畜の健康の確保が証明されて初めて桶の使用が可能となると言える。
(2)評価されたリスクを考慮すると、桶の管理及び除菌方法は適切であるのか、それとも改善の余地があるのか?
 適正規範ガイドに一致しない管理方法や桶の乾燥が不十分な事例が見受けられた。
4.潜在的な微生物リスクを制御するために検討され得る措置にはどのようなものがあるか?
 関連業界に対しては家畜の衛生状態の改善や製造時の全般的な衛生改善などを、また桶の使用条件や微生物の適正基準が遵守されていない場合の注意点を勧告する。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
情報源(報道) AFSSA
URL http://www.afssa.fr/Ftp/Afssa/32019-32020.pdf