【読み物版】生活の中の食品安全 -食品の安全性についての考え方- その1 2019年4月26日配信

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】
[生活の中の食品安全 −食品の安全性についての考え方− その1]
2019年4月26日 配信
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今月のe-マガジン【読み物版】は、「食品の安全性についての考え方」です。
「食品が安全である」とは、国際的な政府間機関であるCodex委員会(※)において、「予期された方法や意図された方法で作ったり食べたりした場合に、その食品が食べた人に害を与えないという保証」とされています。
今号と次号(2019年5月31日配信予定)では、食品の安全性についての考え方をお伝えします。
※Codex委員会:消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等を目的として、WHO及びFAOにより設置された機関。国際食品規格の策定等を行っています。

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1.私たちが食べるもの
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「この食品は自然のものだから安全」「化学物質を使っているから、人工のものだから危険」と言われることがあります。しかし、これは大きな誤解です。
すべての食品は化学物質からできています。自然が作ったものでも、健康を損ねる物質を含んでいることはありますし、加工の過程で新たな化学物質が生まれてくることもあります。天然だから、人工だから、ということはありません。

例えば、じゃがいも。「ソラニン」という食中毒の原因となる物質が含まれていて、おう吐・下痢・頭痛・めまい等の症状を引き起こすことがあります。中身だけではなく、特にその芽や皮には多く含まれ、皮をむいたじゃがいもには46mg/kg、芽には7,640mg/kg、皮には1,430mg/kgという調査結果があります。
私たちの周りには、実にさまざまな食品があります。これが安全と見ただけで分かれば楽なのですが、必ずしもそうではないのが実際です。

では、どのように対応してきたのでしょうか。
私たちの祖先は、食べられるものとそうでないものを体験して見分け、より安全に食べる方法を、実際に食べた経験(「食経験」)の中から見つけてきました。じゃがいものソラニンは、芽や緑色になった皮に特に多く含まれます。長い時間をかけて、このことを経験的に知り、芽を取り除く・皮をむくなどしてソラニンが特に多い部分を除去すれば、貴重な食資源として活用できることを学んだのです。

しかし、近年、食品をとりまく環境は大きく様変わりしています。多様な食品が出回り、新しい技術を用いた食品が開発される等、私たちが口にするものにこれまでの食経験が通用しないケースも増えています。
そこで現在では、食経験に加え、食品の安全を確保するための「リスクアナリシス」という考え方が国際的に重視されるようになっています。“食品にゼロリスクはない。食品が安全かどうかは、食品の中に含まれる危害要因(ハザード)の「毒性の強さ」と「摂取する量(ばく露量)」による”という考え方が基本になっています。(別の号で詳しくお伝えする予定です。)

このリスクアナリシスの考え方は日本でも平成15年に導入(※)され、農場から食卓まで(フードチェーン)の一貫した対策によって、予防的そして科学的に食品の安全性を確保するしくみが整えられています。
※食品安全基本法の中に規定されています。

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2.リスクアナリシスのしくみ
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リスクアナリシスは、次の3つの柱からなっています。3つが互いに連携・作用し合うことで、食品の安全性を確保しています。

◆リスク評価 ◆リスク管理 ◆リスクコミュニケーション

◆リスク評価
食べても安全かどうかを科学的に調べて評価すること。<食品安全委員会が担当>
◆リスク管理
リスク評価に基づいて、食品の安全を確保するルールを決めて監視すること。<消費者庁、厚生労働省、農林水産省等が担当>
◆リスクコミュニケーション
リスク評価やリスク管理について、お互いに意見や情報を交換すること。<すべてのステークホルダー(※)が担当>

※ステークホルダー:ここでは、一般市民、行政、メディア、事業者、専門家といった関係者のことです。

詳しくはこちらをご覧下さい。
[食品安全委員会用語集]リスクアナリシス(リスク分析)の考え方
http://www.fsc.go.jp/yougoshu/kensaku_analysis.html
[メルマガ読み物版【総集編】]食品の安全を確保するしくみ(P.73〜P.76、図解あり)
http://www.fsc.go.jp/e-mailmagazine/sousyuhen.html

 

●次号(2019年5月31日配信予定)では、Q&Aをお届けします。

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