【読み物版】生活の中の食品安全 -カフェインについて- その1 平成30年12月14日配信
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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】
[生活の中の食品安全 −カフェインについて− その1]
平成30年12月14日 配信
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今月のe-マガジン【読み物版】は、カフェインについてです。
年末年始の忙しい時期、あるいは受験シーズン本番を控え、眠気覚ましにコーヒーやエナジードリンクによりカフェインを摂る方もいらっしゃるかもしれません。しかし、摂りすぎには注意が必要です。カフェインについての正しい知識をぜひ身に付けてください。
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1.カフェインとは?
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カフェインは、コーヒー豆、茶葉、カカオ豆、ガラナ等に天然に含まれている食品成分の一つです。また、コーヒーや茶葉から抽出されたカフェイン(抽出物)については、清涼飲料水(コーラ等)などに苦味料等の用途で食品添加物として使用されています。
カフェインを多く含む主な食品は、コーヒー及び茶類です。また、清涼飲料水のいわゆるエナジードリンクや眠気覚まし用のドリンクは、コーヒーや茶類よりも更に多くのカフェインが含まれているものがあります。
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2.どんな効果があるの?
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カフェインには、適量を摂取することにより、頭が冴え眠気を覚ます効果があります。
しかし、多量に摂取した場合、急性作用として、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、下痢、吐き気をもたらすことがあります。
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3.どんなことに気をつければよいの?
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(1)どのくらい含まれているか、量を確認
カフェインを含む食品を摂取する際は、まず、自分がカフェインをどれくらい摂取しているかを把握することが大切です。エナジードリンク等を飲む際に、成分表示を見て、カフェイン量を確認してください。
また、エナジードリンクと合わせて他のカフェイン入り食品を摂る場合、カフェインの摂取量は上乗せになることに注意してください。特に、カフェイン入りの錠剤、カプセル等の形態の食品は、一度に容易に、多量のカフェインを摂ってしまう可能性があります。
カフェインは感受性の個人差が大きく、健康に及ぼす影響を正確に評価することが困難なため、国際的にも、「一日摂取許容量(ADI※)」は設定されていません。
なお、海外の一部の機関では、体に悪影響のない最大摂取量を示しています。
--- 海外の一部の機関における体に悪影響のない最大摂取量---
悪影響のない最大摂取量 | 機関名 | ||
---|---|---|---|
妊婦 | 300mg/日 | 世界保健機関(WHO) | |
200mg/日 | 欧州食品安全機関(EFSA) | ||
300mg/日 | カナダ保健省 | ||
授乳中の女性 | 200mg/日(注1) | 欧州食品安全機関(EFSA) | |
健康な子供及び青少年 | 3mg/kg体重/日 | 欧州食品安全機関(EFSA) | |
2.5mg/kg体重/日 | カナダ保健省 | ||
子供(4〜6歳) | 45mg/日 | ||
子供(7〜9歳) | 62.5mg/日 | ||
子供(10〜12歳) | 85mg/日 | ||
13歳以上の青少年 | 2.5mg/kg体重/日 | ||
健康な成人 | 400mg/日 (3mg/kg体重/1回(注2)) |
欧州食品安全機関(EFSA) | |
400mg/日 | カナダ保健省 |
(注1)乳児に健康リスクは生じない。
(注2)1回当たり摂取量約3mg/kg体重以下(例:体重70kgの成人で、約200mg以下)であれば急性毒性の懸念は生じない。
(2)アルコールと一緒に飲むことに注意
アルコールとカフェイン入りのエナジードリンクを一緒に飲むと、アルコールの酔いをカフェインによる興奮作用が覆い隠してしまい、お酒を飲みすぎる可能性があります。また、カフェインとアルコールにはどちらにも利尿作用があり、気がつかないうちに脱水状態になってしまう可能性がありますので、この点にも注意が必要です。
アルコールとカフェイン入りエナジードリンク等を混合した飲料もあるようですので、十分に留意して下さい。
※一日摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake):人が毎日一生涯にわたって摂り続けても、健康への悪影響がないと考えられる1日あたりの量のことです。
--- 食品中のカフェイン濃度(例) ---
食品名 | カフェイン濃度 | 備考 |
---|---|---|
コーヒー | 60mg/100ml | 浸出方法:コーヒー粉末10g/熱湯150ml |
インスタントコーヒー(顆粒製品) | 57mg/100ml | 浸出方法:インスタントコーヒー2g/熱湯140ml |
玉露 | 160mg/100ml | 浸出方法:茶葉10g/60℃の湯60ml、2.5分 |
紅茶 | 30mg/100ml | 浸出方法:茶5g/熱湯360ml、1.5〜4分 |
せん茶 | 20mg/100ml | 浸出方法:茶10g/90℃430ml、1分 |
ウーロン茶 | 20mg/100ml | 浸出方法:茶15g/90℃の湯650ml、0.5分 |
エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料(清涼飲料水) | 32〜300mg/100ml(製品1本当たりでは、36〜150mg) | 製品によって、カフェイン濃度及び内容量が異なる |
出典:「文部科学省:日本食品標準成分表2015年版(七訂)(2015)」、「農林水産省ウエブサイト:カフェインの過剰摂取について (2017)」
≪参考≫
・食品安全委員会「ファクトシート 食品中のカフェイン」(2018年2月23日更新)
http://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf[PDF:401KB]
・食品安全委員会「みんなのための食品安全勉強会」カフェインの安全性及びコーヒーについて(2018年3月)
http://www.fsc.go.jp/koukan/risk_analysis.html
●次号(平成30年12月28日配信予定)では、カフェインに関するQ&Aをお届けします。
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