【読み物版】 [生活の中の食品安全 −お弁当も、食中毒に気をつけよう!− その1] 平成29年4月14日配信

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】
[生活の中の食品安全 −お弁当も、食中毒に気をつけよう!− その1]
平成29年4月14日配信
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今月のe-マガジン【読み物版】は、お弁当を作る際の食中毒予防についてお送りします。
新学期を迎え、職場やお子さんの学校や幼稚園に持っていくお弁当作りが始まる方も多いのではないでしょうか。
でもちょっと待って。せっかく作るお弁当ですから、食中毒対策も考えましょう。安全なお弁当作りのポイントを知って食中毒を防ぎましょう。

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1.調理前は、何でも洗う!
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■まず、手をよく洗いましょう
お弁当は、朝の忙しい時間に作りますが、調理に取りかかる前、まずはしっかりと手を洗いましょう。
その時に、爪の間や指の間、手首も念入りに洗うことが大切です。手に付いている細菌は水だけでは落ちません。必ず石鹸を使って、30秒を目安にしっかり洗う習慣をつけましょう。手には「黄色ブドウ球菌」という食中毒菌がいることがあり、特に傷や化膿した部分に多くいます。手のひらだけでなく、手の甲も忘れずに洗ってください。二度繰り返すことも効果的であると言われています。
また、調理中でも、例えば生の魚や肉を扱ったあとや、さらには、土がついているごぼうやジャガイモなどの根菜類や根のついたホウレンソウなどの葉物野菜にも細菌が付いていることがあるので、これらを触ったあとには、また手を洗うことをおすすめします。
そして、しっかり手を洗って調理していても、料理のレシピを見るためにスマホを操作したり、テレビやエアコンのリモコンを触ったりすると、新たな菌が手に付着することがあるので、要注意です。

■お弁当箱もしっかり洗いましょう
毎日使っているお弁当箱もしっかり洗いましょう。蓋のパッキン部分は汚れが残りやすいところなので、パッキンが外せる場合は、外して洗うこと。さらに、耐熱性があればお弁当箱に熱湯をかけて殺菌すればより安全です。洗ったあとは、清潔な場所にふせて自然乾燥するか、清潔なふきんやペーパータオルなどでしっかり拭きましょう。
なお、食洗機や食器乾燥機で弁当箱を洗ったり、乾燥させる場合は、それらに対応しているものを選びましょう。そうでないと、弁当箱自体の破損につながり、結果的に不衛生になる可能性があります。
プラスチックの弁当箱には家庭用品品質表示法で原料樹脂の種類や耐熱温度、取扱い上の注意などの表示が義務付けられています。表示をよく読んでから使いましょう。

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2.調理では加熱が大事! 
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お弁当のおかずの定番といえば、ハンバーグやから揚げ、卵焼き。最近は便利な冷凍食品もお弁当には大活躍ですね。しっかり中心部まで加熱することがポイントです。中心温度が75℃で1分以上を目安に十分に加熱すれば、ほとんどの食中毒菌は死滅します(注)。調理用温度計を用いて確認するとよいでしょう。なお、電子レンジで加熱するときは、加熱ムラが起きやすいので、途中でかき混ぜることをおすすめします。
前の日の晩御飯のおかずなどの残りや、作り置きのおかずを使うときは、冷蔵庫に保存したものを使い、「もう一度、しっかりと加熱」します。そして、その後、「冷ましてから」お弁当箱につめましょう。温かいうちにつめるとお弁当の中が、細菌が増えるのに適した温度になってしまいます。必ず冷めてからお弁当につめましょう。
6月から10月までの夏の間は、サラダや卵焼き、ハムやソーセージなどは傷みやすいので、注意が必要です。

(注)食中毒菌等が死滅する温度と加熱時間の目安

・リステリア:65℃・数分
・腸管出血性大腸炎、カンピロバクター、サルモネラ属菌:各75℃・1分(以上)
・ノロウイルス:85〜90℃・90秒(以上)

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3.つめるときにも、ひと工夫! 
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水分が多いと細菌が増えやすくなります。ご飯にせよ、おかずにせよ、中身が熱いうちにふたをすると、ふたの内側に水蒸気が付いて、食中毒菌の増殖の原因になります。保温弁当のような場合は除き、お弁当の中身は、「よく冷ましてから」ふたをします。
盛り付けする際は、食品を直接手で触れないように箸やラップを上手に使ってください。そこで、ご飯はお弁当に入れる分だけ小皿に取り出して、冷めてからお弁当箱につめましょう。
ご飯をおにぎりにする場合は、まずは、おにぎりにする分のご飯をさまします。そして、素手で握らずに、ラップなどで包んで握ることをおすすめします。おにぎりの具、あるいは混ぜるものは、水分の少ない乾燥しているふりかけ、ごま、ゆかりなどがおすすめです。また、鮭フレークや明太子を入れる場合はいったん加熱して、冷めてから入れることをおすすめします。なお、おにぎりは食べる日の朝に作る方が安全です。
そして、おかずの汁気は良く切ってから、お弁当箱につめましょう。塩や砂糖を加えると食品中の水分が減ります。フライパンで炒って水分を飛ばしたり、片栗粉であんかけ風にしたりして、水気が出ないように工夫しましょう。生野菜や果物を使うときは良く洗い、水気をきちんと切ってからつめましょう。

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4.食べるまでは涼しく保管! 
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温かいところに置いておくと、細菌が増えてしまいます。
なるべく涼しいところに保管して、早目に食べるようにしましょう。夏場などの暑い時期や長い時間持ち歩くときは、クーラーボックスで保管することや、保冷剤の利用をおすすめします。車の中や、日の当たるところに放置するのは厳禁です。もし食べるときにお弁当の味や、においがおかしい場合は、思いきって、食べることをやめましょう。
念のためですが、食べる前にも手を洗うことを忘れないでください。手を洗う設備が近くにない場合や水を十分に確保できない場合などでは、手指消毒剤やぬれティッシュ(ウエットティッシュ)などを活用しましょう。

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5.おわりに −「つけない」、「ふやさない」、「やっつける」−
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食中毒予防の三原則は、「つけない」、「ふやさない」、「やっつける」です。これらは、安全なお弁当つくりの基本にもなります。
■「つけない」とは、食中毒の原因となる細菌などによって食品や食材を汚染させないこと
■「ふやさない」とは、食品や食材の上でこれら細菌などを増やさないこと
■「やっつける」とは、これら細菌などを殺菌すること
普段の食生活から、これらに気を付け、安全にお弁当作りをしましょう。

≪参考≫
・食品安全委員会;キッズボックス総集編「食中毒について知りたい」お弁当も、食中毒に気をつけ
よう!(34ページ)
https://www.fsc.go.jp/sonota/kikansi/tokusyuu/kidsbox_6.pdf
・食品安全委員会;e-マガジン【読み物版】 [生活の中の食品安全 ?食中毒予防の三原則について? ]
 その1 https://www.fsc.go.jp/e-mailmagazine/mailmagazine_h2808_r1.html
 その2 https://www.fsc.go.jp/e-mailmagazine/mailmagazine_h2808_r2.html
・農林水産省;さらば食中毒!お弁当づくりの知恵
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/lunchbox.html別ウインドウで開きます(外部サイト)
・弁当及びそうざいの衛生規範について(昭和54年6月29日環食第11号:最終改正平成7年10月12日衛食第188号:厚生省環境衛生局食品衛生課長通知)[東京都掲載]
www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/jourei/2013/files/2bukai/sankou4.pdf別ウインドウで開きます(外部サイト)

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