【読み物版】 [生活の中の食品安全 −食中毒予防の三原則について− (食品安全委員会委員 熊谷 進) その1]  平成28年8月25日配信


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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】
 [生活の中の食品安全 −食中毒予防の三原則について− (食品安全委員会委員 熊谷 進) その1]  
平成28年8月25日配信
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e-マガジン【読み物版】では、「生活の中の食品安全」と題して、日々の生活の中で食品安全について気を付けた方が良いことや、知っていると役に立つことを中心に情報発信したいと考えています。
今月は、当委員会の熊谷進委員より、「食中毒予防の三原則について」をお送りします。

 

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はじめに   食中毒予防の三原則 −「つけない」・「ふやさない」・「やっつける」−
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統計によると、昨年(平成27年)の食中毒の発生は、患者数が約22,700人、事件は約1,200件となっています(厚生労働省)。
食中毒予防は、「つけない」、「ふやさない」、「やっつける」という三原則が昔からよく知られています。
この原則を守ることができれば、食中毒の発生を未然に防止することができます。
■「つけない」とは、食中毒の原因となる微生物によって食品や食材を汚染させないこと
■「ふやさない」とは、食品や食材の上でこれら微生物を増やさないこと
■「やっつける」とは、これら微生物を殺菌すること
です。この三原則については、家庭や調理場で特に気をつけた方が良いと考えられる以下のことを頭に入れておくと、実際の生活に大変役に立ちます。

 

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1. 「つけない」−特にノロウイルス−
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「つけない」ことに特に気を付けるべき微生物は、「ノロウイルス」です。細菌と違ってノロウイルスは食品上では増えないため、原則のうち「つけない」が、とりわけ有効です。
ノロウイルスに人が感染すると、糞(ふん)便やおう吐物中に多量のノロウイルスが排出されます。おう吐物や、それが触れた物の処理には塩素系の殺菌剤を用いるなど、細心の注意が必要です。
調理や配膳、食事の前には、必ず入念に手を洗います。また、トイレのあとは、手、指から汚染を広げないように、トイレ周りの洗浄、消毒、そして、その後の手洗いにも細心な注意をはらいましょう。
ノロウイルスによる食中毒が多発している時は、これらは、極めて重要です。

※ 参照:食品安全委員会「ノロウイルスによる食中毒にご注意ください」
http://www.fsc.go.jp/sonota/e1_norovirus.html

 

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2. 「つけない」−サルモネラ属菌、腸管出血性大腸菌への対策−
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「つけない」がおろそかであっては、食品上で「ふやさない」を徹底しても、食中毒をもたらすことがあります。
かつて、イカの乾燥菓子によるサルモネラ属菌による食中毒が発生したことがあります。出荷後の乾燥した製品上で菌は多量に増殖することはできないのですが、製造工程で製品が菌で汚染されたため、生き残っていた菌が食中毒を引き起こしました。特に食品製造に携わる方々も注意が必要です。
また、動物や人の糞(ふん)便が主な汚染源である腸管出血性大腸菌については、少ない菌数(数十個)を食べただけで食中毒を起こします。他の細菌と比較し、特に「つけない」ための手洗いと汚染された調理器具などによる二次汚染の防止が重要です。

(次号へ続く)

 

※ 本稿は、食品安全委員会季刊誌「食品安全」38号(平成26年3月号)の「委員の視点」を、e-マガ
ジン【読み物版】として加筆修正して発信しています。

~~◆食品安全委員会季刊誌「食品安全」38号も、ぜひ、ご覧ください。◆~~
https://www.fsc.go.jp/sonota/kikansi/38gou/38gou_1_8.pdf

 

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