【読み物版】[動物用医薬品を知る その2] 平成27年3月27日配信

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[動物用医薬品を知る その2]
平成27年3月27日配信  
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前回(3月16日配信)のe-マガジン【読み物版】では、家畜や養殖魚などに使用される動物用医薬品についての情報をお届けしました。
今号では、動物用医薬品に関するQ&Aと、食品安全委員会 三森委員の随想をお送りします。
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1.動物用医薬品に関するQ&A
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Q1 どんな動物に動物用医薬品が使われているのですか?
A1 牛、豚、ヤギ、羊、鶏、ウズラなどの家畜やブリなどの養殖魚、ミツバチの病気の治療や予防のために使用されています。その他、犬や猫といった愛玩動物に使用される動物用医薬品もあります。

Q2 動物用医薬品には、どんなものがあるのですか?
A2 ワクチン、解熱鎮痛剤、病原微生物の発育を阻害する抗菌性物質、寄生虫駆除剤などがあります。

Q3 動物用医薬品の規制はどのように行われているのですか?
A3 食品安全委員会の評価結果を踏まえて、厚生労働省が動物由来の食品における残留基準値を、農林水産省が動物に対する使用基準(使用対象動物、使用量、使用禁止期間など)を定めています。また、抗菌性物質を使用する際には、獣医師の診察が義務付けられています。

Q4 外国では、牛の成長を促進するために、日本では承認されていない肥育ホルモン剤を投与していると聞きますが、その肥育ホルモン剤を投与された輸入肉を食べても問題ないでしょうか?
A4 日本では現在、牛の成長を促進するための承認されているホルモン剤はありません(ただし、治療を目的としたホルモン剤の使用は認められています。)。ホルモンには、動物の体内で生成される天然型と、化学的に合成される合成型があります。日本では、食品中の残留規制として、天然型ホルモンについては食品に自然に含まれる量を超えてはならず、合成型ホルモンについては残留基準値が設定されています。輸入肉を含め食肉についてはモニタリング検査を行い、これらの量を超えるような違反があった場合は販売が禁止されています。

※食品を科学する−リスクアナリシス(分析)連続講座
動物の健康はヒトの健康〜動物用医薬品を知る〜
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20141106ik1

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2.「食品関連化学物質のアレルギー性評価について」(食品安全委員会委員 三森委員)
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食品安全委員会(FSC)では、食品関連化学物質のアレルギー性評価については、従来から実験動物を用いた感作性や免疫毒性試験等の結果から評価してきておりますが、ヒトで類似の物質が別の用途で使用されているような場合は、ヒトの臨床データ等を考慮した評価も行っております。一例として、添加物「ポリビニルピロリドン(PVP)」があります。PVPは、カプセルや錠剤食品として世界で広く使用されており、FSCでは添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないと考えられると判
断しました。

しかし、その評価の過程でPVPを含む医薬品等の経口摂取によるアレルギー発症事例が稀ではありますが報告されており、一部の症例報告においては、PVPに特異的なIgE抗体の産生が確認されていることから、特定のヒトに対してPVPは感作性物質となり得るものと推察されました。一方、経口摂取されたPVPが殆ど吸収されず、PVPのみの経口摂取による感作の成立を示唆する知見がありません。以上のことから、FSCは、PVPによるアレルギーの多くは、局所投与等で摂取されたうがい薬のポビドヨード(PVPとヨウ素の錯化合物)等に感作されたヒトに発生し、その感作を受けたヒトにおいてはPVPを含有するカプセル等の摂取によりアナフィラキシー症状が発現するリスクは否定できないと結論し、リスク管理機関に適切な管理措置を行い、アレルギー発生の予防に努める必要がある旨を通知しました。

今後、既存の食品関連化学物質に対しては、ヒトで類似の物質が別の用途で使用されている場合、そのアレルギー発現の可能性についてヒトの臨床データ等を収集するなど細心の注意を払った評価の実施も必要であると思います。

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