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【読み物版】[食品の保存を理解する その2](2015.01.30)


食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[食品の保存を理解する その2] (2015.01.30) 

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】
[食品の保存を理解する その2]平成27年1月30日配信
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前回(1月20日配信)のe-マガジン【読み物版】では、食中毒のリスクと食品の保存にかかわる情報
をお届けしました。
今号では、食品の取り扱いと食中毒予防に関するQ&Aと、食品安全委員会 石井委員の随想をお送
りします。

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1.食品の取り扱いと食中毒予防に関するQ&A
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Q1 洗うときの注意点はなんですか?
A1 生肉を扱った後などは、調理器具だけでなく、手にも細菌がついていますから、よく洗うこと
が大切です。まな板やふきん、スポンジには熱湯消毒が有効です。生野菜は洗っても細菌をゼロには
できないので、洗浄を過信せず、細菌が残っていることを前提に取り扱い、調理したら早めに食べま
しょう。

Q2 加熱するときの注意点はなんですか?
A2 腸管出血性大腸菌は75℃で1分間以上、ノロウイルス85~90℃で90秒間以上の加熱で死滅し
ますが、この温度は中心部の温度です。中心部分と表面では温度が一致するわけではないので、注意
が必要です。また、カレーなど粘性のある食品は対流が起こりにくく、均一に加熱しにくいので、十
分にかき混ぜながら加熱するようにしましょう。

Q3 調理後の食品は冷蔵庫で保存していれば大丈夫ですか?
A3 調理後の食品を保存するときは、すみやかに冷まして冷蔵庫に入れるなど、適正な温度管理が
必要です。低温保存中は、ドリップ、接触による相互汚染に注意しましょう。低温保存は細菌の増殖
を抑える効果はありますが、常温に戻したときには細菌が増殖を始めます。冷蔵庫を過信しないよう
にしましょう。

Q4 電子レンジで加熱していれば、大丈夫ですか?
A4 電子レンジは、マイクロ波を照射して食品内部の水分を発熱させ、その熱が周辺に伝導してい
くことから、不均一に熱が伝わります。電子レンジでは細菌を減らすことはできますが、加熱むらが
起こる可能性があり、注意が必要です。

※食品を科学する-リスクアナリシス(分析)連続講座
冷蔵庫に入れれば大丈夫?~食品の保存を理解する~
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20140904ik1

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2.「食品の保存」(食品安全委員会委員 石井委員)
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お正月はお節料理で新年をお祝いしたことと思います。お節料理は保存性の高いものが多く、それ
はお正月3が日は普段食事の世話をしている女性を休ませるためなどといわれます。お節料理で保存
性が高いのは甘味の強いものが多く、田作りのたれの糖濃度は50~60%、栗きんとんや黒豆はおよそ
30%と糖濃度の高いのが特徴です。糖濃度が高いと細菌が利用する水分が少なく細菌の増殖を抑える
ことができるからです。食中毒に関係する細菌の繁殖には温度も影響し、30~40℃ぐらいで急激に増
えます。10℃以下の冷蔵庫では、細菌の増殖は抑えられますが、細菌は生きています。細菌は目に見
えませんが、どこにでも存在しています。冷蔵庫内も無菌ではありません。多くの細菌は熱に弱く、
加熱調理によってほとんど死滅しますが、保存中に新たに細菌と出会います。冷蔵庫内では食品同士
が接触しないように、容器に入れたり、ラップで包んだりして細菌による汚染を防ぎます。保存後に
再加熱するのは温めておいしくすることと食中毒を予防する意味もあります。レトルト食品は、高圧
下で120℃という高温で加熱していますので、ほぼ無菌状態で長期間保存できますが、包装から取り
出したあとは、新たに細菌に出会いますから、保存する場合は注意しましょう。


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