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食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[ノロウイルス その1] (2013.11.14)


食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[ノロウイルス その1] (2013.11.14)

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[ノロウイルス その1] 平成25年11月14日配信 
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今月のe-マガジン【読み物版】は、ノロウイルスについてお送りします。
ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎(細菌又はウイルスによるおう吐、下痢を主症状とする感
染症)は、特に冬に流行するとされています。ノロウイルスは、手指や食品などを介して感染し、下
痢、おう吐、吐き気、腹痛などを起こします。子供や高齢者は、ノロウイルスに感染した場合に重篤
化しやすいので、特に注意が必要です。
 今号では、ノロウイルスについて基本的なことをご紹介します。また、次号では、ノロウイルスに
関するQ&A及び委員の随想を予定しています。

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1.ノロウイルスとはどんなウイルス?
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■ノロウイルスとは
ノロウイルスは、とても小さなウイルスです。直径30~40nm※前後で、球形をしています。少量でも
人のおなかの中で増えて、食中毒を起こします。
※ nm(ナノメートル)。1nmは1m(メートル)の10億分の1。

■潜伏期間と食中毒の症状
発症までの潜伏期間は24~48時間程度です。下痢、おう吐、吐き気、腹痛、発熱(一般的に軽度
37~38℃)などが食中毒の主な症状です。おう吐は、突然、急激に強く起こるのが特徴的です。これ
らの症状は、1~2日程度継続してから治癒するとされています。

■原因食品
調理従業者からの二次汚染を含め、飲食店、旅館等の施設で提供される料理、仕出し及び弁当などが
あります。その他の原因としては、生産海域の海水の汚染等の影響による貝類(二枚貝)があります。

■感染経路
(1)患者便や吐物(ノロウイルスが大量に含まれる)から人の手などを介して二次感染する
(2)家庭や共同生活施設などで、人から人へ飛沫感染や接触感染などで直接感染する
(3)食品取扱者(家庭での調理者を含む)が感染しており、その人を介して汚染された食品を食べて感
染する
(4)汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べて感染する
(5)ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道水を消毒不十分で摂取して感染する
などがあります。

ノロウイルスによる食中毒について
http://www.fsc.go.jp/sonota/norovirus.pdf


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2.食中毒の発生状況と問題点
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■発生状況(2012年)
2012年に国内で発生した食中毒では、発生件数、患者数ともによる食中毒が第1位でし
た。
ノロウイルスによる食中毒は、例年、事件数では第1位または2位、患者数では第1位を占めていま
すが、2012年の事件数は直近10年の中でも2番目、患者数は3番目の多さとなりました。ノロウイ
ルスによる食中毒は、一年を通して発生していますが、冬期に多発するので、今後、特に注意が必要
です。

※2012年食中毒事件数
発生件数   1,100件  全患者数26,699人
ノロウイルス 416件(37.8%)  患者数17,632人(66.0%)

■ノロウイルスによる食中毒の問題点
食品安全委員会が作成したリスクプロファイル「食品中のノロウイルス」では、ノロウイルスによる
食中毒に関する問題点として、食品取扱者からの食品の二次汚染が増加していること、患者がノロウ
イルスを排出する期間は症状が治まっても2~3週間程度続き、また、なかには感染しても発症せず
にウイルスを排出する感染者(不顕性感染者)もいること、ノロウイルスは環境中で数週間から数か月
間感染性を維持しており、排出されて乾燥状態となったウイルスからも容易に感染すると考えられる
ことなどを指摘しています。

※詳細はリスクプロファイル「食品中のノロウイルス」をご覧ください。

http://www.fsc.go.jp/sonota/risk_profile/risk_norovirus.pdf


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3.ノロウイルスによる食中毒を防ぐには
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ノロウイルスの特効薬は、まだありません。ノロウイルスによる食中毒を防ぐには、下記の予防対策
を徹底することが重要です。

■加熱する食品は、中心部までしっかり加熱しましよう
加熱が必要な食品は、中心部までしっかり加熱しましょう(中心温度85~90℃で90秒間以上)。また、
野菜などの生鮮食品は流水で十分に洗浄しましょう。

■調理器具などを清潔にしましょう
調理器具や調理台は消毒して、いつも清潔にしましょう。まな板、包丁、食器、ふきんなどは使用後
すぐに洗浄しましょう。洗浄後に、煮沸消毒をするか、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度200ppm)
で浸すように拭いて消毒することも有効です。

※次亜塩素酸ナトリウム:市販の塩素系の漂白剤(塩素濃度200ppm)
※次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方
市販の漂白剤(塩素濃度約5%)を250倍希釈して作ることができます(例:5Lの水に漂白剤を20ml入
れる。)。なお、酸素系の漂白剤では効果的な消毒はできません。
塩素系漂白剤を使用する際は、使用方法を守り、塩素系のものと酸素系のものを混ぜたり、熱湯で使
わないようにしましょう。

■手洗いをしっかりしましよう
特に、食事前とトイレの後、調理前後は必ずよく手を洗いましょう。石けん(ハンドソープ)でよく洗
浄し、すすぎは流水で十分にしましょう。2回繰り返すとより効果的です。


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